癒着防止材の使用法の工夫と材料設計、評価

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第1部. 胸部手術後の胸膜癒着:酸化再生セルロースの癒着防止効果

(2021年2月3日 10:00〜11:30)

 腹部手術後の癒着防止剤は保険適応となっているが、胸部手術ではその開発はあまり進んでいない。腹部では術後腸閉塞が癒着の指標の一部となるが、胸部ではそれに相当する病態がないことも開発が進まない原因のひとつであろう。近年は胸部手術を2回以上行う機会も増えてきており、術後癒着の評価がその際に可能である。胸膜補強シート貼付後の癒着についても症例を提示して、現状を紹介する。

  1. 呼吸器外科手術について
    1. 対象疾患:どのような疾患に対して手術を施行しているか簡単に述べると共に、2回目以降の手術になる状況を解説する。
    2. 手術内容:手術術式によって、術後癒着の範囲・程度は相当に異なる。
  2. 胸腔内の癒着について
    1. 手術以外の胸膜癒着:初回手術時でも胸膜癒着を認める場合は少なくない。
    2. 手術後の胸膜癒着:2回目以降の手術の難易度があがる。
    3. 胸膜癒着療法:胸膜癒着を意図的に起こさせる治療法もある。
  3. 胸膜補強シートやフィブリン糊使用後の癒着
    1. 酸化再生セルロースシート
    2. ポリグリコール酸シート
    3. フィブリン糊

第2部. 婦人科ロボット手術における癒着防止シート貼付の工夫

(2021年2月3日 12:15〜13:45)

  1. ロボット支援腹腔鏡下子宮全摘術 (RASH) の実際
    1. ポート配置とドッキング
    2. コンソール操作
  2. RASHにおける癒着防止シートの貼付
    1. シートの分割
    2. シートの巻き付け
    3. 破砕しない挿入のコツ
    4. シートの貼付

第3部. 体温でゲル化する吸収性ポリマーの癒着防止材への応用

(2021年2月3日 14:00〜15:30)

 温度応答型生分解性ゾルゲル転移ポリマーの開発について解説する。その溶液が温度に応答してゾル (溶液) からゲルへと転移する生体吸収性高分子は,注射可能=インジェクタブルポリマーとして医療応用が期待されている。本講ではその開発と,その腹腔鏡・内視鏡下で使用可能な癒着防止材などへの応用の可能性について解説する。

  1. はじめに – これからの医療 -
  2. 生分解性スマートバイオマテリアルについて
  3. KU – SMARTプロジェクトの紹介
  4. 温度応答型生分解性インジェクタブルポリマー (IP) の開発
    1. 力学的強度の改善
    2. 水溶性低分子薬物の徐放
    3. 溶解性の改善 (用時調製への対応)
    4. ゲル状態維持期間と分解速度調節
  5. 不可逆的ゲル化を示す温度応答型生分解性IPの応用
    1. 薬物徐放
    2. 細胞デリバリー
    3. 癒着防止材
  6. 今後の展望と課題

第4部. 腹腔鏡手術で外科材料を ピンポイントに挿入するデバイスの開発

(2021年2月3日 15:45〜17:15)

 腹腔鏡手術ではポートと呼ばれる筒を通して外科材料 (ガーゼ、癒着防止材、止血材、メッシュなど) を目的の部位にピンポイントに挿入する必要があり、それに適した材料の形状やデバイスの開発が求められている。本講座では腹腔鏡手術で外科材料を挿入するときの問題点を整理するとともに、演者が行っている外科材料の形状工夫やデバイス開発の経緯とその特性について紹介する。

  1. “そのままでは入らない“
    • 腹腔鏡手術で外科材料を挿入するときの問題点
  2. mmポートを多用する手術の増加
  3. “捩じって入れる” – 5mmポートから挿入する技術の開発 -
    • トルネード法 (ガーゼ、サージセル)
    • トルネード法から商品化:トロックスⅡD カートリッジ
  4. “折って入れる” – トルネード法からの発展 -
    • 癒着防止材 (セプラフィルム) 、止血材 (インテグラン)
    • 折って入れることの利点
  5. “先まで運ぶ” – デバイスの開発 -
    • シリンジ状デバイスの開発:Sumrai – D
    • Sumrai – Dをつかった外科材料挿入の実際
  6. “腹腔内で広げる” – 自己拡張型形状の開発 -
    • Origami工学・ミウラ折りから発想:Chevron Pleats法
    • Chevron Pleats法をつかった外科材料挿入と展開の実際
  7. “簡単に入れる“
    • 材料を挟むだけで挿入可能となる鉗子の開発と使用法
    • 新デバイスの課題

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