第1部. リビング・ラボから始める高齢者にとって使いやすい製品・サービスの開発
(2021年1月29日 10:00〜11:30)
高齢者人口が増加した超高齢社会における製品・サービスでは人間中心設計の視点からのユーザビリティの向上やシニア対応が急務となっている。製品・サービスを適切に高齢者対応していくためには、高齢者のニーズや日常的な利用状況を設計者らが適切に理解する必要がある。高齢者ユーザのニーズや日常的な状況を理解し、設計をすすめるのか、その一つの方法として「リビング・ラボ」という手法が考えられる。リビング・ラボは、市民、事業者、研究者、行政などのステイクホルダーが協働して、社会における様々な問題解決を行う手法であるが、高齢社会における製品・サービスの開発過程への応用も可能である。
本講演では、製品・サービスのシニア対応におけるユーザビリティの基本からリビング・ラボの適用、実践方法について紹介したい。
- 人間中心設計とは
- 高齢者にとっての使いやすさ
- 認知的加齢
- 使いやすさに関わる4つの要因
- ユーザビリティ評価
- ユーザ調査
- ユーザビリティテスト
- ユーザビリティ評価の伝統的手法の限界
- リビング・ラボから始める製品・サービス開発
- リビング・ラボとは
- 製品・サービスの開発とリビング・ラボ
- リビング・ラボの実践例
- まとめ
第2部. 中高年世代の睡眠・認知・身体機能評価と商品開発への応用
(2021年1月29日 12:15〜13:45)
今年は、コロナ禍にあって外出自粛や三密対策の影響で生活や行動が制限されていることで老若男女を問わず、ストレスや心身の不調を訴える人が急増しているという。特に中高齢世代では、これまで生活の質 (QOL) の維持や身体、認知機能の維持のためにも外出したり、周りの人とのコミュニケーションを取ることの重要性が言われてきたが、それが出来ない現状にあるため、転倒、うつ症状、認知機能低下のリスクが高まることが懸念されており、その対応が急務である。
そこで、本講では、中高年世代の心理生理的な特性 (睡眠、歩行、認知、身体機能など) について言及するとともにそれら課題の評価法、及び対応策を論じることで関連商品開発の応用に繋げたい。
- はじめに ~中高年世代の心理、生理機能の理解~
- 中高年世代の心理機能の特性
- 中高年世代の生理機能の特性
- 性差と加齢変化 (体性感覚、身体機能、代謝機能、認知機能など)
- 中高年世代対象の官能評価、有効性評価の課題と対応
- 中高年世代対象の官能評価の課題とその対応
- 中高年世代対象の心理評価の課題とその対応
- 中高年世代対象の生理評価の課題とその対応
- 中高年世代を対象にした商品開発に向けて
- 中高年世代を対象にした評価試験の課題
- 中高年世代を対象にした評価試験の組み立て方
- 中高年世代を対象にした被験者の選出
- 中高年世代を対象にした評価法の選択
- まとめと質疑応答
第3部. 高齢者の使いやすさ (気持と肌) の評価方法と商品開発への応用
(2021年1月29日 14:00〜15:30)
世界の高齢者比率 (65歳以上) は今後益々増加する傾向にあり、特に日本においては急増すると予測されている。高齢者比率の増加とともに加齢にともなう成人尿失禁患者も増加し、尿吸収用品の選択と使用方法に対する評価ニーズは高まると考えられる。特に高齢者の身体状況 (ADL:Activities of Daily Living) に見合った尿吸収用品の評価と選択は重要である。尿吸収用品の評価と選択を考える上で、比較的ADLの低い高齢者の場合は、身体活動量の減少に対する健康寿命延伸を促進する自立歩行をサポートすることであり、ADLの高い高齢者の場合には、特に寝たきり高齢者の場合は、寝たきりにおける精神的改善とともに屎 (し) 尿による肌トラブルに対するケアが必要となってくる。
今回、高齢者のADLに対応した使いやすさの評価と紙おむつへの応用事例について紹介する。
- はじめに
- 活動的な人に向けたはき心地のよい紙おむつ
- はき心地に関する高齢者の主観評価
- はき心地と紙おむつ材料のKES評価
- 3次元DLT法による形態変化
- はき心地のよい紙おむつとは
- 寝たきり高齢者の気持ちの定量化
- 高齢者における自律神経活動の評価
- 日常で観測される自律神経活動
- 日常ケア別の自律神経活動の変化
- 自律神経活動評価の限界
- 紙おむつによる肌トラブル要因
- おむつ内排泄の有無による実態評価
- 肌状態の判定
- 総菌数の変化
- 肌臭気の比較 (官能評価と機器評価)
- 肌PHの変化
- おむつ内排泄による肌変化の推定
- 洗浄液による肌改善効果
第4部. 高齢者の生理特性を踏まえた製品デザインの進め方
(2021年1月29日 15:45〜17:15)
高齢者が使うことができる製品を設計するためには、その身体や感覚などの生理特性を理解することが必要です。この理解によって、デザイナーや設計者ははじめて高齢者の立場にたって製品を考えられるようになります。また、理解した様々な生理特性を製品に関連付けて考えることに、発想のヒントが隠されています。
本講演では高齢者を含みヒトの身体や感覚の各種データを紹介し、製品の発想と開発のプロセスを説明します。そして手で使う道具や人工照明などのいくつかの事例紹介によって、高齢者を含む人間中心の製品デザインの進め方を解説します。
- 高齢者と若年者の生理特性
- 人類に普遍的な特性
- 本人も自覚できない生体内の反応や処理
- 主観評価の妥当性と生理評価の必要性
- 意識の範囲に限定される主観評価と無意識下まで含む生理評価
- 人間中心の製品デザインの進め方
- “物がこうだから”ではなく“人がこうだから”の発想と客観的評価
- 生理特性を考慮した事例の紹介
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
- 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
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アカデミック割引
- 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)
日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。
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- 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
- 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
- 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
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