マイクロリアクター/フロー合成による反応条件を最適化した導入と目的に応じた実生産への適用 (2日目)

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セッション1: 有機合成への応用技術と実用化事例

(2020年12月11日 10:00〜11:30)

 反応溶液を流して連続的に化学合成を行うフロー合成は、化合物を高速かつ高効率的に得ることのできる技術である。特にマイクロメートルスケールの微細流路を反応場とするマイクロリアクターを用いたフロー合成法は、従来のフラスコ等を用いるマクロなバッチ合成法に比べ、精密な温度制御、高速混合、精密な滞留時間制御などの利点を有している。  本セミナーでは、フローマイクロ合成をその特長ごとに分類し、前半ではそれらの特長が顕著に表れた実験室レベルの合成技術について述べる。後半では工業化の際に重要となる特長を、国内外の企業や研究室で実際に取り組まれている事例をもとに紹介する。

  1. フローマイクロ合成の特長と応用技術
    1. 温度制御
    2. 高速混合
    3. 精密滞留時間制御
    4. 大きな比界面積
  2. 工業化を見据えた実用化の事例
    1. 省エネルギー化
    2. スケールアップ
    3. 危険試薬を用いる反応
    4. 多段階合成
    5. ライブラリー合成
  3. おわりに

セッション2: プロセスの連続化と反応条件の最適化事例

~マイクロ波・ファインバブル・機械学習最適化技術の融合~

(2020年12月11日 12:15〜13:45)

 最先端技術であるフロー合成手法は、化合物合成の再現性が極めて高いのが特徴であり、専門的な知識や技術がなくても、レシピ化・自動化を推進することにより医薬品、農薬などのファインケミカルズ中間体原料の合成が期待されている。そのためには、従来技術の延長ではなく、フロー合成に適した技術開発が鍵であり、本講演ではマイクロ波、ファインバブル、機械学習最適化を駆使したフロー合成技術について紹介する。

  1. はじめに
    • グリーンものづくり
  2. マイクロ波フロー合成
    • マイクロ波化学
    • マイクロ波フロー合成装置
    • マイクロ波フロー合成反応例
  3. ファインバブルフロー合成
    • ファインバブル
    • ファンバブル発生装置
    • ファインバブルフロー合成反応例
  4. 機会学習最適化
    • 連続型変数の最適化
    • 9+4+1法
    • グラジエント法
    • 離散型変数の最適化
  5. 最新の成果

セッション3: フロープロセスの導入事例

~バッチプロセスでは不可能なプロセス革新の実現~

(2020年12月11日 14:00〜15:30)

 フローリアクターは、現象レベルでは迅速な混合や熱交換、滞留時間の厳密制御、微小空間を活かした界面制御等の特徴を有している。また、プロセスレベルではスケールアップの簡略化、設備のシンプル化、操作面・プロセス面での安全性向上等が期待されている。我々はこのフローリアクターをキーとしたフロープロセスの深耕を進め、バッチプロセスでは実現できない革新プロセスの開発を目指し検討を進めている。  本講演では、最近の我々の事例として、医薬品及びポリマーの製造プロセスへの展開について紹介する。

  1. フローリアクターの特長
    1. 現象レベルでの特長
    2. プロセスレベルでの特長
    3. フローリアクターはどのような反応に向いているか
    4. フロープロセス設計の基本的考え方
  2. 医薬品製造プロセスへの適用事例
    1. ホスゲンを用いる反応の特徴と課題
    2. 本質安全向上に向けたフロープロセス設計
    3. 反応解析とリアクター設計
    4. 実機導入事例① ~スケールアップ~
    5. 実機導入事例② ~フロープロセスならではのスケールアウトコンセプトによる検討期間の大幅短縮~
  3. ポリマー製造プロセスへの適用事例
    1. リビングカチオン重合とその課題
    2. 反応解析とリアクター設計
    3. バッチプロセスでは不可能な革新プロセスの実現
    4. 生産性向上に向けて ~ナンバリングアップとスケールアップ~
    5. 安定運転の実現 ~閉塞課題の解決~
  4. フローリアクターにおけるマルチパーパスコンセプト
  5. 設備導入及び稼働
    1. 送液制御
    2. 設備設計
    3. 運転方法
  6. フロープロセスが描く未来
    1. 今後求められる技術
    2. 未来工場の実現に向けて

セッション4: PATによる製造コストの削減とリスク回避

~連続フロー生産の利点最大化~

(2020年12月11日 15:45〜17:15)

 連続フロー生産の利点を最大化し、特有の注意点を克服する手法の一つとしてPAT (Process Analytical Technology) の活用を紹介する。PATはバッチ生産にも活用されてきたが、in situ且つリアルタイムで得られる連続的なデータは連続フロー生産との相性も非常に良い。  PATメーカーの視点から海外企業でのケーススタディーを交えて連続フロー生産のコスト削減、リスク回避を議論させていただく。

  1. はじめに
    1. 連続フロー生産の利点と注意点
    2. リアルタイムモニタリングの必要性
  2. PATについて
    1. in line FTIR
    2. in line Raman
    3. バッチ反応におけるPATの活用事例
  3. 連続フロー生産とPATの活用
  4. ケーススタディー
    1. インダゾール誘導体の生成 – 反応条件のスクリーニング
    2. 気液反応
    3. 分散拡散のモニタリング
    4. 多段階反応のfeedback制御
    5. 実機製造の制御
  5. CSTR研究用自動合成システムの活用
  6. 連続晶析におけるPATの活用

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