色彩・質感計測と調色のための理論と実践

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本セミナーでは、色彩計測について基礎から解説し、望ましい色彩、測定のノウハウについて詳解いたします。

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インダストリアルデザインに於ける質感の重要性が謳われて久しい。最近の工業製品や工芸品は、特殊な光学特性を備えた材料や複雑な表面加工を施す事によって、多様な質感を表現している。一方で、デザイン要求に見合う加工や調色といった製造工程の確立や安定した供給を実現することは容易ではなく、供給者側と依頼者側とのコミュニケーション等、極めて困難な現状があり、業界の中での最重要課題であるともいえる。特にコロナ禍により、対面で説明を行う機会が制約される中、的確な数値による伝達・検討の必要性は、ますますクローズアップされている。このような背景の中、デザインや製造上の品質管理には、質感に関連する高次元の情報を簡単に計測できる機器が要望され、統合アピアランス計測の関心が高まると同時に、質感や色彩の基本的な理解と測定技術の確立、及びそれに基づく加工や調色への展開が必要不可欠である。  本講演では、特に調色・加工にフォーカスし、繊維やプラスチックといった一般材料から、自動車業界に多くみられる光学異方性を備えたメタリック・パール色、蛍光色や肌・化粧料、更には建築材料を含めた物体色全般にわたる対象を、モノづくりの視点を含めて俯瞰し、測定システムを利用、あるいは構成する上での留意点、正しい計測と評価につなげていく為の基本的な概念と知識、調色・加工に於けるシステムの運用上のポイントについて習得を目指す。セミナーはWebによる配信とするが、株式会社 オフィス・カラーサイエンスからのライブ中継を行い、設置されている種々の計測機器を活用し、参加者との双方向でのライブを実現する。  また、最新のCG技術とのコラボレーションや、最近の計測機器について、その原理や多くの計測例を紹介、その中で、測色システムと光学幾何条件、及び質感との関係、材料と表面構造に関する最近のトピックを取り上げる。特にメタリック・パール色に関しては、マルチアングルのポータブル分光光度計や分光イメージング装置を用いて計測の実際を理解して頂くと共に、質感に関する計測のアプローチについて、工業生産の側面に立って解説を行う。モノづくりとデザインに於いてCMFは一つの重要なキーワードであり、デザインと製造の両側面からの統合的な解説を実施し、現状の問題点の把握と共に、将来のシステム構築への展開、展望を考察する。

  1. 色彩・質感の基礎
    1. 視感と色彩・質感
    2. 色彩の基礎と視覚的な意味
    3. 質感の基礎と物理的な背景
  2. 物体色計測の基礎と測定対象の特徴
    1. 物体色計測の為の機器構成
    2. 測定対象の質感バリエーションと特徴
    3. 測定対象と光学幾何条件 (★積分球分光光度計による実機実演)
    4. 質感計測の実際 (★表面アナライザーによる実機実演)
    5. 調色のポイントとクライアントとのコミュニケーション
  3. 変角測定とメタリック・パール色
    1. メタリック・パール色の構成材料と発現機構
    2. 変角分光光度計に求められる特性
    3. 計測の実際と計測上の留意点 (★マルチアングル機器による実機実演)
    4. 自動車塗色分布に見る質感と傾向
    5. メタリック・パール色の調色とCCM (Computer Color Matching System)
  4. 蛍光色の測定
    1. 蛍光色の特徴と発現機構
    2. 蛍光色測定の基礎
    3. 各種測定方法と2分光器型分光光度計 (★簡易2分光機器による実機実演)
  5. 分光イメージング
    1. 画像と分光イメージング
    2. 分光手段と計測方法と注意点 (★分光イメージング機器による実機実演、化粧料の計測トライ)
    3. 分光イメージングとCCM
  6. 色差式の特徴と応用
    1. 各種色差式の特徴
    2. メタリック・パール色の色差判定
      • DIN 6175-2とAudi2000色差式
  7. 3D-CGレンダリングへの展開
    1. BRDF計測とCGレンダリング
    2. 調色シミュレーションとの連携と展開
  8. 今後の色彩計測の方向と将来予測
    1. 物体色計測の現状と問題点
    2. 色彩管理、色彩計測と日本の位置づけ
    3. 物体色計測の方向性と将来

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