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会場 開催

本セミナーでは、各種ITO代替材料について解説いたします。
CVDによるグラフェンの製造、CNTの最適空間配置による物性の向上、ZnOでの透明導電膜の技術開発などを詳解いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 グラフェンからアプローチする、透明導電膜におけるITO代替の技術動向・展望

(2011年12月12日 10:30~12:00)

 CVDによるグラフェンの合成法が開発され、ITO代替の透明導電膜としてのグラフェンの工業応用の検討が進められている。  本講演では、グラフェン合成法の現状をレビューし、透明導電膜としての可能性、問題点、今後の課題について議論する。

  1. グラフェンの概観
  2. グラフェンの形成法
    1. 剥離などによるグラフェンの形成
    2. 熱CVDによるグラフェンの形成
    3. 酸化グラフェンの還元によるグラフェンの形成
    4. その他の新規合成手法
  3. プラズマCVDによるグラフェンのCVD合成
    1. プラズマCVDによるナノ炭素材料合成
    2. 表面波励起マイクロ波プラズマCVD
    3. 表面波励起マイクロ波プラズマCVDによるグラフェンの合成
    4. プラズマCVDで合成したグラフェンによる透明導電膜
  4. グラフェン透明導電膜の課題と今後の展開
    1. 他の新規透明導電膜材料との比較
    2. グラフェンの課題と今後の展開

第2部 CNTフィラーのナノ空間デザインによる透明導電性材料の開発 現状と課題

(2011年12月12日 13:00~14:30)

 ITOに代表される透明かつ導電性を有する材料の活躍する領域は、今後益々拡大していくものと思われ、時代背景、ニーズに合わせた、各種材料開発が急務である。  本講演では、導電性フィラーとしてカーボンナノチューブ (CNT) に焦点をあて、新規な複合化技術を用いた透明導電性バルク材料の開発例について話題提供する。  特に、添加物のナノ空間デザインによる理想的な導電ナノパーコレーション構造を構築した実例を紹介する。

  1. 概要
    1. 導電機構
    2. 各種導電性フィラー (金属、炭素系材料)
    3. 導電性フィラーとしてのCNT
    4. パーコレーション理論
  2. 既往の材料開発 (ナノ複合材料) に関する問題点
    1. 導電性材料の概要
    2. ナノ物質の凝集と分散
    3. ナノ添加物のマトリックス内への添加
    4. 微構造と諸特性
      • 導電性
      • 光学特性
  3. 静電吸着複合法
    1. ナノフィラーの分散技術
    2. 高分子電解質を用いた分散制御と表面電荷制御
    3. 静電相互作用を用いたナノ物質の静電吸着現象
    4. 静電吸着によるナノアセンブリ技術
    5. 集積複合粒子の製造例
    6. ナノ物質の空間デザイン
    7. ナノパーコレーション構造の構築
    8. ナノ分散複合材料の実例
    9. CNT添加透明導電性材料の開発
    10. 既往材料との比較
  4. ナノ空間デザインによる新規ナノ複合材料の創製
    1. 帯電防止材料
    2. 透明熱線遮蔽材料
    3. 透明耐傷性
    4. 電磁波吸収材料 など

第3部 ZnOからアプローチする透明導電膜におけるITO代替の技術動向・課題および展望

(2011年12月12日 14:45~16:15)

 液晶デイスプレイテレビ用共通電極 ITO 代替100% の研究開発 (NEDO 希少金属代替材料開発プロジェクト, 2007-2011) 成果を中心として、本講演では、下記の内容で ZnO による ITO 代替技術開発の最近の成果と今後の展開について、紹介とともに議論する。

  1. 最近の成果
    1. 酸化亜鉛透明電極実装液晶デイスプレイテレビ
    2. 耐湿性制御
    3. ナノシートバッファ層効果
    4. フレキシブル基板上透明導電膜
  2. 透明導電膜:基本・応用要求特性
    1. 基本特性:電気特性、光学特性
      1. 電気特性:抵抗率の膜厚及び微細構造依存性
      2. 光学特性:透過率、反射率、吸収率
      3. 電気特性と光学特性との両立のための制御因子
    2. 応用特性:
      1. 一般論
      2. 薄膜太陽電池用透明導電膜
      3. 電磁遮蔽用透明導電膜
      4. ウエットエッチングによる微細加工
  3. フレキシブル基板上透明導電膜
    1. 各種フレキシブル基板特性
      1. 基板の熱特性と成膜プロセス制御
      2. 各種成膜方法の相違点
    2. PMMA
      1. 電気特性
      2. 光学特性
    3. COP基板
      1. 電気特性
      2. 光学特性
      3. 薄膜応力と電気特性
    4. ポリエステル基板
      1. 電気特性
      2. 光学特性
      3. フレキシブル特性
  4. まとめ
    1. 研究課題
    2. 応用展開

背景

レアメタル、インジウム

すでに透明電極として、液晶デイスプレイテレビなどに多く普及している典型的な透明導電膜材料は、錫を添加した酸化インジウムITO (In2O3:Sn) である。
ITO がもつ特筆した特徴は、ZnO (2.0×10-4Ωcm) よりも低抵抗率 (1.6×10-4Ωcm) が得られ、かつその電気特性が、耐熱・耐湿性に優れていることである。
しかし、インジウムは希少金属 (レアメタル) であり、生産地が寡占であること、およびその価格に大きな変動がある、といった需給バランスおよび価格戦略上での問題点が挙げられる。
しかし、高価で商取引が行われていることから、材料ビジネス側からは、短期的に見れば、離れがたい面があることも否めない。

ZnO 研究開発の意義

資源に乏しい我が国が果たすべき役割は、グローバルに、かつ長期的に捉えれば、応用から要求される特性 (以下、応用特性、と呼称) において、代替が可能な応用と、可能でない応用との区分けを、どの国よりも先んじて明確化し、天然資源の有効利用の観点から、世界の今後の産業における開発方向を提案することであろう。
我々はこの理念に基づいて、液晶デイスプレイテレビ用 ZnO 透明導電膜の技術開発を実施している。

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

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