本セミナーでは、各種ITO代替材料について解説いたします。
CVDによるグラフェンの製造、CNTの最適空間配置による物性の向上、ZnOでの透明導電膜の技術開発などを詳解いたします。
(2011年12月12日 10:30~12:00)
CVDによるグラフェンの合成法が開発され、ITO代替の透明導電膜としてのグラフェンの工業応用の検討が進められている。 本講演では、グラフェン合成法の現状をレビューし、透明導電膜としての可能性、問題点、今後の課題について議論する。
(2011年12月12日 13:00~14:30)
ITOに代表される透明かつ導電性を有する材料の活躍する領域は、今後益々拡大していくものと思われ、時代背景、ニーズに合わせた、各種材料開発が急務である。 本講演では、導電性フィラーとしてカーボンナノチューブ (CNT) に焦点をあて、新規な複合化技術を用いた透明導電性バルク材料の開発例について話題提供する。 特に、添加物のナノ空間デザインによる理想的な導電ナノパーコレーション構造を構築した実例を紹介する。
(2011年12月12日 14:45~16:15)
液晶デイスプレイテレビ用共通電極 ITO 代替100% の研究開発 (NEDO 希少金属代替材料開発プロジェクト, 2007-2011) 成果を中心として、本講演では、下記の内容で ZnO による ITO 代替技術開発の最近の成果と今後の展開について、紹介とともに議論する。
すでに透明電極として、液晶デイスプレイテレビなどに多く普及している典型的な透明導電膜材料は、錫を添加した酸化インジウムITO (In2O3:Sn) である。
ITO がもつ特筆した特徴は、ZnO (2.0×10-4Ωcm) よりも低抵抗率 (1.6×10-4Ωcm) が得られ、かつその電気特性が、耐熱・耐湿性に優れていることである。
しかし、インジウムは希少金属 (レアメタル) であり、生産地が寡占であること、およびその価格に大きな変動がある、といった需給バランスおよび価格戦略上での問題点が挙げられる。
しかし、高価で商取引が行われていることから、材料ビジネス側からは、短期的に見れば、離れがたい面があることも否めない。
資源に乏しい我が国が果たすべき役割は、グローバルに、かつ長期的に捉えれば、応用から要求される特性 (以下、応用特性、と呼称) において、代替が可能な応用と、可能でない応用との区分けを、どの国よりも先んじて明確化し、天然資源の有効利用の観点から、世界の今後の産業における開発方向を提案することであろう。
我々はこの理念に基づいて、液晶デイスプレイテレビ用 ZnO 透明導電膜の技術開発を実施している。