本セミナーでは、既存の溶融溶接では不可能とされた接合体を創製するFSWの原理、高速化について解説いたします。
(2011年12月20日 13:30~15:30)
豊橋技術科学大学 大学院 工学研究科 機械工学専攻 教授 工学博士
福本 昌宏 氏
摩擦攪拌接合法は、既存の溶融溶接では不可能とされた異種金属材料間の健全な接合体創製を実現するブレークスルーをもたらした。本法のコンセプトを応用することで、金属材料の範囲を超え、金属/セラミックス、金属/高分子、セラミックス/高分子、金属/複合材料などの、工業用4大材料間のすべての組み合わせにおける接合体創製の可能性が期待される。 本セミナーでは摩擦攪拌援用異材接合技術の原理、現状、課題と将来への展望を述べる。
(2011年12月20日 15:45~17:15)
東急車輛製造(株) 技術開発室 開発企画部 課長 博士 (工学)
石川 武 氏
摩擦攪拌接合は溶融溶接と比較して入熱が少ない固相接合であるために高品質な継手を得ることが可能である。 この特長を生かして融点の低い軽合金材料の接合では多くの実用化例がみられる。 一方、多くの溶接構造物は鉄鋼材料が使用されていて、鉄鋼材料への摩擦攪拌接合の適用は、高温での塑性変形抵抗が大きいため塑性流動が起こりづらく多くの入熱が必要となる。 このため、従来の溶接法よりも遅い速度でしか接合ができず、効果的な実用例が少ない。 しかしながら、鉄鋼材料への摩擦攪拌接合の実用化には生産性の向上となる高速化は重要である。 以上の状況から鉄系摩擦攪拌接合の高速化を目的として、接合ツールおよび裏当て板の素材に着目して接合性の検討をおこなった結果を紹介する。