石油由来プラスチック製の使い捨てストローによる海洋汚染報道がきっかけとなり、マイクロプラスチック問題が世界的に大きな課題として急浮上し、ECヨーロッパ委員会は2025年までに非分解の使い捨てプラスチック製品の使用禁止の方針等を次々と打ち出してきています。それに呼応するようにスターバックス、マクドナルド、IKEA、日清食品等が生分解性素材の採用を発表するに至っています。昨年6月下旬に開催されたG20大阪サミットでは日本が中心となって海洋プラスチック汚染関連条約をEU、米国、中国、ロシア、インド、ASEAN等へ提唱し、2050年までに海洋プラスチックごみによる新たな汚染をゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」合意へ導いています。しかし、マイクロプラスチック問題の正確な報道や実用に耐え得る生分解性プラスチック製品の情報は不十分で、ブームに便乗した物性に重大な課題が残る製品の流通が始まるなど混迷した状態にあると言えるでしょう。
本セミナーでは、生分解性プラスチックの実務的な射出成形技術の世界的第一人者の一人である小松道男氏を迎え、同氏が16年に渡りフランス、ドイツ、アメリカ等で実際に収集した貴重で信頼性の高いデータや写真、サンプル等に基づいて、マイクロプラスチック問題の本質と課題、生分解性プラスチックやバイオプラスチック製品の開発事例、世界各国の法規制の動向等を解説します。昨年10月に開催された世界最大のプラスチックショーK2019における欧州プラスチック業界の最新動向もご紹介します。
- 第1部 海洋マイクロプラスチック汚染問題の正確な理解
- マイクロプラスチックとは?
- マイクロプラスチックが及ぼすリスク
- マイクロプラスチックが発生する原因
- 生分解性プラスチックはマイクロプラスチックにならないか?
- 第2部 生分解性プラスチックとバイオプラスチックの正確な知識
- プラスチックの70年の歴史的レビュー
- 石油由来プラスチックと植物由来プラスチックの相違点
- 非分解性プラスチックと生分解性プラスチックの相違点
- 生分解性プラスチックの認定基準
- バイオプラスチックは生分解性プラスチックなのか?
- 生分解性プラスチックの主な種類と特徴
- 生分解性プラスチックの生分解に要する時間
- 生分解性プラスチックは海洋で生分解するのか?
- 第3部 世界各国のプラスチック廃棄物に関する規制の動向
- EUヨーロッパ連合
- フランス
- ドイツ
- 英国
- インド
- 米国
- 第4部 バイオプラスチック製品と生分解プラスチック製品の事例
- ポリ乳酸シート真空成形品
- ポリ乳酸厚肉射出成形品
- 耐熱ポリ乳酸射出成形品
- ポリ乳酸超臨界CO2薄肉射出成形品
- ポリ乳酸N2超臨界微細発泡射出成形品
- セルロースファイバー&ポリ乳酸射出成形品
- 生分解性ヘミセルロース
- 第5部 日本政府のバイオプラスチック推進に関する施策の動向
- 環境省
- 経済産業省
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