信頼性は製品が、使用期間中に不具合を発生させない性質で、その対象は総合安全性として保全性や安全へと広がっています。信頼性に関わる不具合は影響が大きいだけでなく、多くの原因と組み合わせで発生します。FTAは不具合の発生する経緯や子事象の組み合わせを論理的に解析して、根本原因や影響の大きい原因を明らかにする手法です。
原因の組み合わせは多様で複雑で、その解析には多大な労力と時間がかかりますが、製品開発の現場で大切なことは、限られた情報を活用してリスクを回避し、改善につながる情報を得ることです。FTAは不具合の発生経緯を解析するだけでなく、根本原因や不具合を予測し、設計のノウハウを論理的に蓄積する手法です。
このセミナーでは信頼性の基本からFTAの特徴を紹介し、設計活動に生かすためのポイントについて演習を踏まえて説明します。さらには、根本原因の解析や再発防止について、その概要とFTA活用のコツを、初心者にも分かり易く紹介します。
- 品質保証と総合信頼性~品質保証とディペンダビリティ (総合信頼性) の役割
- 企業競争力と品質保証
- 品質に不具合はなぜ発生
- ディペンダビリティ (総合信頼性) の特徴と要求される理由 (事例からの教訓)
- 設計段階で不具合が作りこまれる理由
- 製品の実現プロセス限界品質と品質水準
- 信頼性は設計で決まる (不具合 (トラブル) は設計で作られる)
- なぜ予測が必要となるのか
- 故障の概念と発生メカニズム
- 設計力の改善
- 信頼性の作り込みの基本とリスク
- 製品開発とFTAの活用 (いつFTAを行うのか)
- リスクマネジメントの3つの要素とFTA
- FTAを支援する情報の収集
- 設計力の強化とFTA
- FTAの特徴
- FTAの概要と信頼性設計
- 2つのタイプのFTA (事前解析と事後解析)
- 出来る事/出来ない事、やらない理由・やりたくない理由
- FTAと他の技法との使い分け
- FTAの進め方
- FTAの準備 (頂上事象とシステムの理解)
- 特性要因図や系統図とFT図の違い
- FT図作成の基本ステップ (作り方と記号) とそのポイント…演習
- 解析の進め方 (SPF、CCF、MCSほか) …演習
- FTAの弱点/限界と実施のポイント
- 根本原因解析 (RCA) と再発防止
- 根本原因の解析
- 予測手法、根本原因解析 (RCA) の手法
- RCA手法の活用と注意 (特性要因図やなぜなぜの進め方)
- 再発防止テーマの絞込みと問題解決のステップ
- RCAの国際規格IEC62740の概要
- 再発防止の推進と未然防止
- 再発防止の基本とプロセス改善の必要性
- タートルチャートとその活用 (プロセスを可視化する)
- 不具合発生のプロセスと3つの視点
- プロセスの持つ問題点への着目とマネジメントの役割
- 再発防止活動のチェック (火消しと耐火建築)
- 未然防止~想定できない事は防げない
- 参考 FMEA/FTAの国際規格とその概要
- まとめ