長年、テレビ受像機は地上波放送や多チャンネル放送を視聴するための端末として確固たるポジションを築き上げてきた。インターネット系事業者やテレビメーカーなどは、過去からさまざまな取り組みを行ってきたが、テレビ受像機の位置づけを大きく変えることはできなかった。しかし、2011年7月のアナログ停波やテレビと連携が可能なスマートフォン等の普及、海外からの新たなプレーヤー参入、次世代セットトップボックスの登場などの外部環境変化により、その状況が変わりつつある。この変化は、テレビ受像機を独占してきた地上波放送局や多チャンネル放送事業者のビジネスを変えてしまう可能性さえでてきている。 本講演では、特に動画配信を含むスマートテレビ関連の動向とその影響を大きく受けるであろうケーブルテレビにフォーカスを当てて、海外事例なども踏まえながら現状の動向の解説と今後の方向性について考察する。