軟磁性材料の磁気特性向上とパワーエレクトロニクスへの応用

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本セミナーでは、磁性材料について基礎から解説し、ナノ結晶、圧粉磁芯の開発、応用状況、モーター側からの材料への要求まで詳解いたします。

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プログラム

第1部 圧粉磁芯の製造技術と磁気特性への影響因子

(2020年11月11日 10:00〜11:40)

 積層鋼板に比べて形状の自由度が高く高周波特性に優れる圧粉磁芯について、原料となる鉄粉の粉体特性が圧粉磁芯の磁気特性、特に保磁力に及ぼす影響について紹介する。

  1. 背景
    1. JFEスチールの概要
    2. 自動車向け軟磁性材料
  2. 圧粉磁芯の概要
    1. JFEにおける鉄粉の製造プロセス
    2. 圧粉磁芯の製造方法と特徴
    3. 圧粉磁芯の課題
  3. 圧粉磁芯の鉄損
    1. ヒステリシス損
    2. 渦電流損
    3. 鉄損に及ぼす微細組織の影響
  4. 粒子形状と保磁力の関係
  5. 原料粉末粒子径及び微細組織と保磁力の関係

第2部 アモルファスおよびナノ結晶軟磁性合金のパワーエレクトロニクスへの応用

(2020年11月11日 12:30〜14:10)

 ますます深刻化する地球温暖化の抑制の観点から電力インフラの主要機器の一つである配電用変圧器の省エネ化が求められている。また、HEV、PHEVおよびEVなどのxEVの急速な普及、更にはSiCやGaNなどを用いたパワー半導体の実用化の進展によるインバータやDC/DCコンバータなどのパワーエレクトロニクス機器の高周波化の進展に伴い、これに使用する各種軟磁性部品の磁気特性の改善も強く求められている。  本講座では、これらの問題解決のための有効な手段の一つであるアモルファスおよびナノ結晶軟磁性合金とその応用例について解説する。

  1. 各種軟磁性材料とその位置づけ
  2. アモルファス軟磁性合金
    1. アモルファス軟磁性合金の製造方法
    2. アモルファス軟磁性合金の特性
    3. 鉄損を大幅に低減した新Fe基アモルファス合金
  3. ナノ結晶軟磁性合金
    1. ナノ結晶軟磁性合金の製造方法
    2. ナノ結晶軟磁性合金の特性
  4. 配電用変圧器への応用
  5. 高周波変圧器への応用
  6. 高周波リアクトルへの応用
  7. ノイズ対策部品への応用

第3部 車載パワーエレクトロニクス用磁気部品の最新動向と材料への要求

(2020年11月11日 14:20〜16:30)

 本講座では、インダクタやトランスを使う側であるパワーエレクトロニクス技術の立ち位置から、近年の車載用電力変換器に用いられているインダクタ・トランスの最新動向について解説する。その後, 誰でもわかるように磁気部品に関する基本理論から解説し, その理論を用いた応用設計 (結合インダクタ・結合トランスなど) へ議論を展開する。  本講座後半では, 磁性材料の特性に着目した応用について議論を展開し、広い負荷範囲で高効率化を実現する応用例や、フロントローディングデザインに貢献するシミュレーションモデルの例について述べ、実験との相対比較からその妥当性についても併せて掲示する。

  1. パワーエレクトロニクスの最新技術動向
    1. パワーエレクトロニクス技術の全般的な技術動向
    2. 車載用パワーエレクトロニクスの技術動向
    3. 車載用パワーエレクトロニクス回路の磁気部品動向
    4. エアギャップ構造や放熱構造による特性改善事例
  2. 磁気部品の基本と応用
    1. インダクタ・トランスの磁気回路法の基本
    2. 磁気回路法を用いたコアサイズ選択とインダクタ設計の基本
    3. インダクタの大幅な小型化を実現する結合インダクタの設計法
    4. 回路の高性能化 (高電力密度化や高信頼性) を実現するトランス応用事例
  3. 材料特性に着目した応用技術やモデリング・シミュレーション技術
    1. 電力変換回路で使用される磁性材料の種類と応用例
    2. 非線形な透磁率を有する圧粉コアのモデリング、設計、シミュレーション技術
    3. 広い負荷範囲で高効率化可能な複合インダクタ
    4. 磁性材料の透磁率の温度依存性とパワーエレクトロニクス回路上での評価
    5. 高周波・大容量条件下での磁性材料の課題

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