ADASの普及率が高まり、自動運転車の市場投入が始まる中、それら機能を実現する上で欠かせないのがカメラである。従来車載カメラは、その市場独自の進化をとげてきたが、市場急拡大にともない、既存巨大市場スマホ用カメラ技術の転用が活性化している。ここで、携帯電話からスマホ用に至る搭載カメラの経緯を見ると、5つの世代に分類できる。この中、3番目の世代が他の製品に与えた影響が甚大である。スマホがCompact DSCに対し破壊的な影響を与えたことは衆目の一致するところであるが、そのきっかけとなったのがこの世代の登場である。さらにこの世代で開発されたImage Sensorの高感度技術「BSI」は、車載用にも適した技術であったため早々に転用された。続く第4世代では、Computational photography技術による高画質・高機能の実現により、一眼レフの存亡にも多大な影響を与え始めるとともに、Image Sensorの高感度技術「Binning」がわずか2年後に車載用に転用された。
本講演では、スマホ用カメラの5つの世代とは何か、そこで開発された技術が車載用にどのように展開されているのか、そしてその流れが今後IoT社会にどのように波及していくのかを解説する。
- 欧米・中国で加速するEVの普及、自動運転技術の本格化
- IoTとは、Communication, Logistics, Energy 3つのInternet上に存在するもの
- 再生可能エネルギーの限界費用大幅低減EVの本格化が進む欧州、強引にEV普及促進を図る中国
- 350kW高速充電網充実で進む欧米のEV市場拡大
- ADASから自動運転へ、KeyWordは“CASE”
- 国連宣言を受け、急激に普及拡大したADAS
- 世界的に統一された自動運転Levelの定義
- 自動運転で覇権を狙う国際道路交通法の縛りがない中国
- 自動運転実現には必須、車載AI/DeepLearning機能
- Toyotaもついに参画、自動運転技術 Open Platform『BaiduApolloPJ』の勢力拡大
- 車載用に技術移植が進むスマホカメラ・ディスプレイの動向
- Connected Carの本格化を加速したスマホの登場
- スマホカメラの5つの世代と車載カメラに転用された技術
- AMOLED搭載が進むスマホ、車載用への転用の可能性
- 車載カメラの要素技術
- 車載カメラが果たす安全機能
- 車載カメラ、部品の市場動向予測
- 車載カメラの小型化、開発期間短縮に貢献するWLO技術の概要
- WLOリフローカメラで実現する多機能カメラモジュールの事例
- Viewing Cameraの画素数を決定付けるディスプレイ解像度
- 車載CMOS Image Sensorに要求される機能
- 明暗差が大きい環境に対応した「Real Time HDR」機能
- LED表示・照明による誤認識解消「フリッカ抑制」機能、HDR併用Image Sensorも登場
- De-facto化する、夜間歩行者検出も可能な0.005lx出画超高感度Image Sensor
- ADASの精度向上、自動運転実現で重要な役割を果たすNIR Sensor
- SoC処理能力向上に伴い高解像度を求め多画素化が進むSensing Camera
- 夜間障害物検出で重要な役割を果たすFIRカメラのコスト低減技術
- IoT社会本格化に向けた動向
- 家庭用IoTは高度なInteraction性を実現した音声認識が本命
- AIの高度化を進める業界動向
- IoT社会のカメラとAIの相互作用は『現代版カンブリア爆発』である
- まとめ
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