自動車内装材・住宅・医療・食品包装材・農ビ等には塩化ビニル樹脂に可塑剤を混ぜた軟質塩ビ (塩化ビニール) が用いられてきた。可塑剤にはアレルギー物質として懸念されているオルトフタル酸エステル (Ortho Phtalate) が主に用いられてきたが、最近ではオルトフタル酸エステル以外の可塑剤に代替えが進んでいる。軟質塩ビは低温特性が悪い (硬くなる) ため、耐摩耗性の要求が無い自動車のインストルメントパネルやドアトリムはポリオレフィン系熱可塑性エラストマーに、耐摩耗性が要求されるシート表皮にはウレタン系エラストマー (合成皮革) に代りつつある。米国カリフォルニア州ではZEV (Zero Emission Vehicle) プログラム、ヨーロッパではCO2排出量規制、中国やインドでは深刻な大気汚染対策のため内燃機関からの脱却 (電動化) が進められている。自動車内装材も燃費向上に寄与するため軽量化が重要な観点となっている。ウレタン系エラストマーは高強度のため薄肉化が可能で,軟質塩ビや本革の約半分の重量で規格をクリアーできる。従来高級車は本革が主流だったが、米国ではPETA (People for the Ethical Treatment of Animals:動物を倫理的扱う) やイギリスではVegan (完全菜食主義者) によるアニマルフリー化の要求が強くなり、電気自動車で知られているテスラーモータースも本革からウレタン系エラストマー製レザーに代えている。ウレタン系エラストマーは低温特性の改良、軽量化、アニマルフリー化には適しているが、欠点として耐薬品性 (特に近年消毒剤として使用されるエタノール) に劣っている。ウレタン系エラストマーに代わる耐薬品性を持つエラストマーとしてシリコーン系、ポリエステル (TPC) 系、ポリエステル – シリコーンハイブリッド系等が新しく登場しているので紹介する (サンプル回覧予定) 。インストルメントパネルやドアトリムの構造は、操作がタッチパネル化されて大きく変化している。インストルメントパネルやドアトリム表皮の構成は、オレフィン系表皮の裏にポリプロピレンの発泡体がラミネートされている。シグナルを表皮に表示できるようにLEDバックライトを透過する事が可能な光透過型ポリプロピレン発泡体も開発されている (サンプル回覧予定) 。また中国では無臭で未来感のある内装が要求されている。またカーシェアリング対応として豪華さより汚れ対策や抗菌性が重要になってくる (個人の所有物ではなくなる) ため抗菌化技術も紹介する。
- はじめに
- 展示会情報をもとに熱可塑性エラストマーのトレンドを紹介する
- 人や環境への配慮
- REACHやRoHS規制に呼応してOEKO-TEX等業界団体が自主規制を設けている
- 塩素・臭素等のハロゲンフリー
- VOC (ボラタルオーガニックコンパウンズ)
- SVOC (セミボラタルオーガニックコンパウンズ) の低減
- 臭いの低減
- 軽量化
- アニマルフリー化
- 熱可塑性エラストマー概要
- 軟質塩ビ
- オレフィン系
- スチレン系
- ウレタン系 (TPU)
- 自動車内装材 (熱可塑性エラストマーの主用途である)
- 自動車・部品メーカーの最新動向
- 内装表皮材メーカーの動向
- 成形工法
- 射出成形
- インモールドグレイニング (IMG)
- その他新成形工法
- IP (インストルメントパネル) 、ドアパネルのTPO化
- 工程概要
- 配合 (安定剤処方等)
- フィルム成形
- 表面活性化処理
- 表面処理
- 絞押
- TPOへの電子線照射技術
- 電子線架橋ポリプロピレン発泡体製造技術
- TPO以外のソフトマテリアル
- PUスプレー
- PVCスプレー
- ウレタンビーズスラッシュ
- PU-RIM
- SEBS (射出成形)
- 座席 (シートカバー)
- 本革の問題点
- 塩ビ系
- ウレタン系
- ブルージーンズ汚染改良技術
- 難燃化技術
- 抗菌化技術
- 自動車外装材
- 塗装レス→フィルム化→機能付与
- チッピング傷防止フィルム 自己修復塗料
- バンパー、LEDヘッドランプ等 その他
- 住宅
- 家具
- 軟質塩ビ壁紙はフリースに変化 印刷はインクジェットプリンターへ
- 床材
- 住宅窓枠
- 医療
- 中国・ヨーロッパではシリコーン系やスチレン系エラストマー製輸血バッグやチューブの増加
- 電器電子
- 今後の展開
ライブ配信セミナーについて
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