低価格指競争から高付加価値競争に移行する中で、プラスチック加飾がますます重要性を増している。プラスチック加飾は、単なる加飾から、「機能性付与加飾」へと発展し、また、「塗装代替 (塗装レス) 加飾」が注目され、「繊維複合熱可塑性樹脂への加飾」も関心が持たれるようになっている。個別加飾技術の中では、フィルム加飾技術、モールドインカラー等のNSD (Non Skin Decoration) 、バイオミティクスを応用した加飾、オンデマンド加飾等が注目されており、日本でも自動車の外板への適用検討が活発化している。さらに、フィルム加飾技術の中では、インモールド加飾と比較して数々の特徴があるアウトモールド加飾 (布施真空のTOM等) が注目され、採用が急拡大している。
本講演では、主要加飾技術の説明を行い、「機能性付与加飾」、「自動車外板への展開」「等、最近の動向を、多くのサンプル、写真を示しながら、具体的に解説する。また、今後の方向を予測する。
- 加飾技術の概要
- プラスチックの加飾について ~なぜ加飾が求められるのか~
- 加飾技術の分類と位置付け
- 最近の加飾技術の動向の概要
機能性付与加飾、塗装代替加飾のニーズ
- フィルム転写・貼合加飾
~高意匠表現が出来、機能性付与性にも優れるフィルム転写・貼合加飾技術~
- 成形方法と用途
- 成形方法の分類と比較
- インモールド加飾 (IM-D)
- アウトモールド加飾 (OMD) ~多くの可能性を有する加飾技術~
- 加飾フィルム
- 加飾用基本フィルム
- 加飾フィルムの意匠表現、構成、バリエーション
- 注目される代表的な加飾フィルム
- PP加飾フィルム
- 高意匠フィルム
- 光・電磁波透過フィルム
- 高感触フィルム
- バイオミティクス利用フィルムなど
- 加飾フィルムの需要需要
- 機能性付与加飾
- 付加される機能
- 機能性付与加飾の実例 (フィルム転写・貼合加飾以外も含む)
- 高触感
- ミリ波等透過
- 温度等で色変化
- 防水・防湿
- 空力抵抗低減
- 金属音めっきなど
- NSDの展開 ~比較的低コスト塗装レス加飾として注目~
- モールドインカラー
- 高外観原着樹脂による加飾
- 混色成形等
- シボ・金型表面微細加工技術
- デジタルシボの開発と展開 ~可能性を広げるデジタルシボ~
- 金型表面微細加工技術
- 金型表面高品位転写 ~表面品質向上技術から加飾技術へ~
- ヒート&クール
- ヒート&クールを行わない技術
- バイオミティクスと構造色加飾
~自然界に存在する素晴らしい機能をもった動・植物の機能を加飾にも展開~
- バイオミティクスについて
- バイオミティクスの加飾への展開
- 構造色加飾 ~着色剤不要の着色
- 構造色のしくみ
- プラスチックに用いられている構造色加飾
- ソフト表面加飾の進展
~あらためて注目されている温かみを与えるソフト加飾~
- 本格的なソフト表面加飾の現状
- ソフトフィール加飾の開発と展開
- 二次加飾 ~二次加飾が見直され、あらたな展開も~
- UV硬化インクジェット印刷
~オンデマンド対応ができ、自分だけ加飾にも展開されるインクジェット印刷、塗装~
- 3次元曲面印刷
- 真空製膜、プレスサイト製膜
- その他の二次加飾
- 塗装
- メッキ
- レーザー加飾
- 植毛
- 繊維複合熱可塑性樹脂への加飾
- 強度と加飾を結び合わせた展開
- 自動車外板への加飾技術の展開
- 可能性のある加飾技術
- フィルム加飾による展開
- モールドインカラーによる展開
- IMP (インモールド塗装) による展開
- まとめと今後の展開予想