GMP省令の改正の骨子がGMP事例研究会で紹介された。そこにはCAPAやデータインテグリティについても要求される。またQA (品質保証) 業務の強化も盛り込まれる予定である。それを理解したうえで逸脱と逸脱を考えていきたい。 FDAの査察では特に逸脱、OOSが重要になる。最近はOOSに関連付けてデータインテグリティでの指摘が増えている。日本の製造所もそれに関してWarning Letterを多く貰っている。それが発端で製造停止になっている製造所もある。FDAの指摘は新たな指摘ではなく、既に他の製造所で指摘されている内容である。 他社への指摘も含め過去のエラーから十分学んでいるとエラーの70%は回避できると言われている。指摘対応を行っていればWarning Letterまでは至らなかったかもしれない。先ずは、仕組みをしっかり構築し、その上で実際のエラーや指摘事項を学ぶことで、判断する人の知識が向上する。そのエラーを見つけ出す仕組みが逸脱/OOSである。査察においても重点的に確認されるところでもある。その仕組みと是正&予防のCAPAの仕組みを紹介し、それをいかに運用するかについて説明する。リスクになると思われる項目を品質保証/品質管理に30年携わって来た立場から上げ、実際の過去に起きた事例から学ぶことにより、同じ過ちを繰り返さない。 品質は製造で造り込んでいる。そのため、GMPにプラスして上乗せ基準として全数保証に取り組んできた例を紹介する。 PMDAやFDAの指摘事項を学ぶことにより、GMP不備による製品回収やGMP適合性調査不適を回避する方法についても学ぶ。特にFDAはデータインテグリティについて査察で厳しくチェックしてきており、日本の製造所もFDAのWarning Letterを貰っている。その指摘は別の製造所で指摘されている事柄であり、他の製造所での指摘事項対応をしておくことがWarning Letterを貰うかリスクを少しでも下げることになる。 数学の問題は公理と定理を知っていれば解けるはずである。しかし、問題を解く練習をしないと実際は解けない。逸脱やOOSも同じで実際の事例からどう活用するかを学ぶことができるので、多くの事例を紹介して実際どう対応するかを学ぶようにしている。 FDAもQuality Cultureが重要だと言っている。品質は人が創っている。偽造・偽証するのも人である。いくらよい仕組みができても、実践する人が偽造・偽証してしまうと品質保証が根底から覆ってしまう。最後は人創りが重要になる。そのノウハウを紹介する。
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