第1部 洗浄バリデーションにおける残留限度値の許容範囲とホールドタイム (DHT/CHT) 設定方法
(10:30~13:00)
専用設備であっても分解物等のキャリーオーバーが懸念されるので洗浄バリデーションが必要である。また、CHTは放置中の装置の汚染リスクを考慮するもので、天井・床等の非接薬部での交叉汚染リスクを考察する必要がある。残留許容値について規制当局は毒性データに基づく設定を要請する方向にあるが、そこにはいろんな問題がある。こうした、悩ましい問題への対応策について、演者の経験に基づいて具体策に提案する。
- 企業が患者に約束すべきは
- 洗浄バリデーションは、交叉汚染対策の単なる一手段ということ
- 洗浄バリデーションのHow – toはまだまだ発展途上
- 洗浄対象物に思い込みをしない
- 薬物と設備材質との相性も要注意
- Leachables/Extractablesの同定
- 消毒すれば微生物は大丈夫?
- 非日常的作業後の洗浄にも留意
- 洗浄開始まで/使用するまでの放置期間 (DHT/CHT) に注意
- 放置中に設備に何が起こる?
- 接薬部位以外にも配慮がいる
- 環境モニタリングデータを過信するな
- 床、壁の残留許容量はどう考えるか
- 異品種有効成分の残留許容値設定
- FourmanとMullin論文の影響
- 一日最小投与量の0.1%以下基準とその問題点
- 10ppm基準
- 目視限度基準
- 投与量基準から健康ベース暴露限界値 (HBEL) へ
- ISPE – RISK Mappの論点
- EMA (欧州医薬品庁) ガイドラインが主導へ
- 毒性発現臓器 (組織) は物質により特徴が
- 動物データの人への外挿による問題
- 不純物・分解生成物の残留許容値設定
- ICH Q3ガイドラインを適用
- 遺伝毒性不純物はどう考えるか
- ICH M7変異原性不純物ガイドライン
- 洗浄剤の残留許容値設定
- LD50を用いることの議論
- 微生物の残留許容値設定
- 可視異物の残留許容値設定
- 残留許容値に関する私見
第2部 サンプリング方法と箇所の設定、回収率の判断基準
(13:50~16:30)
全ての接薬部位の残留量を計測することは不可能であり、結局は特定箇所の部分サンプリングの結果から残留量を推定せざるを得ない。サンプリング場所を間違えると残留を見逃す可能性がある。信頼性 (再現性) の高いサンプリング方法の設定だけでなく、接薬表面積をどこまで考慮するかも残留量の計算値に影響する。
さらに、適切なスワブ材や抽出溶媒を選定しているかを回収率で確認しておく必要もある。このような残留量を測定する上での考慮点と対策を提案する講座である。
- 各種サンプリング法の特徴と問題点
- サンプリング箇所の設定
- どこからどれ位サンプリング?
- サンプリングで注意すべきこと
- スワッブ材/抽出液ろ過用フィルター材の選定
- スワッブ溶媒の選定
- TOC等によるオンラインモニタリング
- 接薬表面積の算出
- 洗浄剤の選定
- アルカリ性洗浄剤の特徴
- 酸性洗浄剤の特徴
- 超音波洗浄の留意点
- CIPの留意点
- 洗浄しにくい箇所 (Worst case Location)
- 回収率テスト
- 回収率テストの例
- 回収率の計算
- 回収率と残留値の推定計算
- TOCを使った回収率テスト
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