本講演では、ディジタル信号処理の中でも特に統計的信号処理と呼ばれる統計を扱う信号処理技術に関して、詳しくご説明致します。 具体的にはスペクトル解析、適応信号処理が中心的なテーマとなりますが、それらの理解を助けるためにディジタル信号処理の基本概念からはじめ、スペクトル解析の準備としてフ – リエ変換について定義の他に物理的解釈に触れ、統計信号処理の応用に至るまでをカバーします。 理工系の大学では、必ずと言っていいほど、ディジタル信号処理に関する講義が行われます。しかしながら、学部の講義では時間の関係上、統計的信号処理まで進めないのが現状です。よって、現実問題として多く遭遇する不規則信号の取り扱いは、実際に対応される企業技術力に依存することになりますが、総計的信号処理に利用されるアルゴリズムの複雑さは、その理解の妨げが企業展開のネックになることが懸念されます。 本講演では、個々のアルゴリズムの本来の狙いは何かを理解することを目的とし、丁寧な説明を心がけ、参加者の理解の一助となることを目指します。