本セミナーでは、懸濁・乳化重合における、反応機構、特徴と高分子微粒子の調整、最新の粒子化事例について解説いたします。
(2020年10月6日 10:30〜12:30)
本講演では、重合反応速度論の観点から乳化重合および懸濁重合をとらえ、ラボスケールから製造プロセスまでの反応工学的な解析を通して考える。また、重合反応容器や攪拌機の形状、反応温度の制御等、反応条件が得られる高分子粒子の粒径分布に及ぼす影響を解説するとともに、得られる粒子の粒径分布の狭い粒子を得るためにはどのような方法が望ましいのかを解説する。 また、ソープフリー乳化重合、分散重合、シード重合、重合反応性開始剤を用いたグラフト重合、およびマクロモノマーをもちいた高分子微粒子の機能化を解説する。
(2020年10月6日 13:30〜16:30)
乳化重合法と懸濁重合法は汎用高分子材料の製造法としてよく知られ研究されており、さらに反応の制御が容易であり、かつ、広汎な応用展開が可能なので、それらの知識を系統的に持つことは、新材料、新機能性材料の設計において極めて有用な手段をもたらしてくれる。 有用な応用展開として、粒子への種々の機能性付与がある。機能を付与する手段として、表面性質の制御、組成 (物性) の制御、構造化、形状制御などがある。表面の性質の制御とは、粒子表面への官能基 (反応性、疎水性、親水性等) の導入、表面を異種材料 (シリカ、酸化鉄などの無機粒子) で被覆する、組成制御とは、異なる性質を持つポリマー材料、あるいは親和性の乏しいポリマー材料同士の複合化、分子量分布の制御などがある。構造化とは、コア/シェル構造、海島構造、凹凸あるいは襞状表面を持つ粒子などである。形状制御としては、亜鈴形状、雪だるま形状、表面に突起を持つ形状、ラズベリー様形状、などがある。 これらの粒子を得る方法として、乳化重合や懸濁重合はもとより、多くの手法が知られている。ソープフリー重合、シード重合、分散重合等がその例として挙げられる。さらに、粒子のもととなるモノマー液滴を得る方法として、一段分散法、膜乳化法、マイクロチャネル法、オリフィス法、回転ディスク法、マイクロフロー法、ミニ (マイクロ) エマルション法、超音波分散法がある。
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