高齢者の使いやすさ評価と製品開発への応用

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第1部. 認知的クロノエスノグラフィによる高齢者の実空間・情報空間ナビゲーション行動の理解とインタフェース評価

(2020年9月28日 10:00〜12:00)

 私たち人間は、環境から情報を取得し、次に取るべき行動を選択・実行し、その結果を記憶することを繰り返しながら日々の生活を送っている。ここで、注意・プランニング・作業記憶などの認知機能が重要な役割を果たすが、これらの機能は加齢に伴い低下することが知られている。  本講演では、高齢者が実空間・情報空間を移動しながらゴールにたどり着こうとするナビゲーション行動を取り上げ、ナビゲーション支援のためのインタフェースのユーザビリティ評価を、合目的的サンプリングによる被験者選定・被験者のタスク遂行過程の現場観察、によって人間行動を理解する手法「認知的クロノエスノグラフィ (CCE) 」を適用して、認知機能の低下の行動への影響に着目して行う方法を概説する。

  1. 認知的クロノエスノグラフィ:CCE
    1. どのように行動するだろうか:知覚・認知・行動サイクルを基礎として
    2. 何を行うだろうか:入力情報と記憶の相互作用を基礎として
    3. 合目的的サンプリングによるエリートモニターの選定と行動記録
    4. 回顧的インタビューによる活性記憶の表出
  2. 認知的クロノエスノグラフィの実施手順
    1. 初期モデルの構築
    2. エスノグラフィ調査方法の策定
    3. 現場での調査の実施
    4. 初期モデルの更新
  3. 認知的クロノエスノグラフィによるナビゲーション行動の理解
    1. ナビゲーション行動に必要な認知機能 (注意・プランニング・作業記憶)
    2. 高齢者の実空間ナビゲーション行動 (駅内移動)
    3. 高齢者の情報空間ナビゲーション行動 (リモコン操作)
    4. ナビゲーション支援のためのインタフェースのユーザビリティ評価

第2部. 高齢者の行為・動作の“しやすさ”の定性的・定量的評価の方法

(2020年9月28日 13:00〜14:30)

 高齢者が使いやすい機器や生活環境を提供するためには、加齢変化する人間機能を把握し、それに応じた設計が欠かせない。日常生活行為 (ADL) は、様々な動作の組み合わせで行われる。本講演において、人間の動作、さらには行為を使いやすさの点から評価する方法について紹介する。

  1. 人間機能と障害ならびに加齢による変化
    1. S-O-Rモデル
    2. 感覚機能、知覚・認知機能、運動機能
    3. 障害の概念
    4. 加齢 (Aging)
  2. 日常生活行為 (ADL) とは
    1. 人間の日常生活行動
    2. ADLの評価方法
  3. 行為を構成する動作とその評価方法
    1. サーブリッグ分析
    2. フィッツの困難度指標
  4. 動作の改善の手順
    1. ムリ、ムダ、ムラの概念
    2. 出来ないことを出来るようにする (バリアフリーの概念)
  5. 動作とそれにかかる時間の見積もり
    1. PTS法
    2. MODAPTS法 等

第3部. 色彩から考える高齢者向け製品開発への応用

(2020年9月28日 14:45〜16:15)

 高齢者を含むユーザーを対象とした製品・サービスにおける色使いのポイントについて解説する。先ず、カラーユニバーサルデザイン (あらゆる人が利用しやすいように製品・サービスのカラーデザインを考慮するすること) の考え方と、加齢による視覚的な機能の変化について基礎知識を得る。さらに、高齢者の色彩の好みを男女別に考察する。最後に、主に高齢者向けの製品・サービスのコンセプトとカラーデザインについてポイントを整理する。

  1. カラーユニバーサルデザイン
    1. 視覚機能
    2. バリアフリーからユニバーサルデザインへ
    3. 高齢者の視覚的な特性
  2. 高齢者の色彩嗜好
    1. 色彩嗜好
    2. 高齢者の色彩嗜好の特徴
  3. 製品・サービスにおけるコンセプトと色彩
    1. 高齢者を含むターゲット向け製品・サービスの主要コンセプト
    2. 製品・サービスのコンセプト・カラー

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