生体情報を利用した感情・心理状態の推定技術

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本セミナーでは、ストレスと感情、疲労と感情、快不快と感情との関係性、機械学習を利用した解析、推定事例を詳解いたします。

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プログラム

第1部 動画像による非接触心拍計測とストレス、情動の推定

(2020年9月29日 10:00〜12:30)

 心拍変動の周期から、交感神経系の活性のバランスを判断し、ストレス負荷の様子や感情をみることが可能であることから、カメラを用いた非接触の心拍変動計測システムが注目されている。この手法では非接触で行うため被験者に不快感を全く与えることなく計測が可能である。本講演ではRGBカメラからの皮膚色素成分分析法にもとづき、本情動工学を質感工学に応用うる例など実用的な視点で情動工学・肌光学について講演する。

  1. 5バンドカメラ用いた非接触心拍計測法 (従来法)
    1. 撮影環境
    2. 信号取得と前処理
    3. 時間軸の独立成分分析
    4. ピーク検出
    5. 精度検証
    6. 心拍変動スペクトログラム
  2. RGBカメラを用いた色素成分分離に基づく非接触心拍計測法
    1. 色素成分分離手法
    2. 空間軸の独立成分分析
    3. 顔画像に対する色素成分分離
    4. 脈波検出方法
  3. 情動 (感情) のモニタリング
    1. 色素成分分離による生体情報の計測
    2. 個別最適化法による特徴量の選択
    3. 選択された特徴量を用いた情動の分類
  4. 今後の課題
    1. リアルタイム化
    2. 個人差の低減

第2部 新製品開発への活用に向けた心理・生理状態の計測技術

(2020年9月29日 13:15〜15:15)

 使いやすい製品でもそれが不格好なものであれば使う気にはならないでしょう。いくらおしゃれな製品でもそれが快適でなければ使われなくなるでしょう。すなわち、その両方の面が満たされてはじめて魅力的な製品が実現できます。これらの要素はヒトの心理や生理の状態と深く結びついています。そのため、こうした状態を客観的に知ることができれば、製品の優劣を定量的に評価できるだけでなく、より優れた製品づくりにも繋がります。本講座では、その目的のために実施すべき心理・生理状態の計測方法とその進め方をわかりやすく解説いたします。

  1. はじめに
    1. 使いやすければ良いというわけではない
  2. 何を測るのか
    1. 心理計測でわかること
    2. 生理計測でわかること
    3. 主な計測手法
  3. ヒトを対象とした計測のための実験計画
    1. 実験計画がまずければ優れた計測技術も無駄になる
    2. 失敗しないための9つのポイント
  4. 計測データを設計値に落し込む
    1. データの見つけ方
    2. データを設計値に翻訳する
  5. ユーザのニーズを捉える
    1. 本人も気づかない隠れたニーズの捉え方
    2. 高齢者対応製品のための高齢者ニーズとは
  6. 今後の動向と課題
    1. ヒトの心身の状態を捉えることはこれからのモノづくりの常識

第3部 センサーを用いた他者の姿勢の感情判断推定システム

(2020年9月29日 15:30〜17:00)

 研究室の学生と任天堂のセンサ・バランスWiiボードを使って、着座姿勢の状態を推定できるのではという発想が感情研究の始まりです。その当時日本では感性を工学的に研究する分野が発展し、米国ではAffective Computingという研究分野が生まれてました。当時ビアンキ教授 (英国UCL大学) が立位姿勢の感情研究で活躍しており、海外では普遍的な理性より主観的な感情への研究にシフトが起きてました。また、ロボットとのコミュニケーションにおいて、相手の感情を理解することが重要である点も感情研究が盛んになった理由です。最後に人は日常生活の中での姿勢から無意識に感情を読み取ること、また、偶然が新たな研究分野を開拓する場合もあるということを講座で説明したいと思います。

  1. 姿勢における感情判断の分析法と感情判断推定法の研究について
  2. 立位・着座姿勢の測定デバイスと測定方法
    1. 圧力センサ
    2. 加速度センサ
    3. モーション・キャプチャー・システム
    4. Kinect
    5. カメラ (機械学習による画像処理利用)
      1. OpenPose
      2. PoseNet
  3. 他者の姿勢における感情判断の分析
    1. 心理量による分析
    2. センサによる物理量
  4. 他者の姿勢における感情判断分析・モデル構築法の例
    1. 既往研究手法
    2. 線形・非線形モデルを用いた姿勢の感情判断の分析・モデル化への適用例
    3. 現段階での最新アプローチ

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