高吸水性樹脂の設計、 架橋構造制御と生分解性付与

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本セミナーでは、様々な分野で活用される高吸水性樹脂について基礎から解説いたします。

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プログラム

第1部 高吸水性樹脂の分子設計、特徴と生分解性付与

(2020年9月24日 10:00〜14:15) (途中 昼食休憩を含みます)

 高吸水性樹脂は衛生用途を中心に市場が拡大しており、その傾向は当面続くと見込まれている。しかし、現行品は石油を原料とし、使用後は水分を大量に含んでいるにもかかわらず、その多くは焼却処理されている。高吸水性樹脂が再生資源である天然物を原料とし、生分解性を付与することができれば、さまざまな課題が解決すると期待される。  本講演では高吸水性樹脂現行品の特性や課題、生分解性付与の具体的方法や意義などについて平易に解説し、高吸水性樹脂の今後のあるべき姿について考える。

  1. はじめに
    1. 高吸水性樹脂の概要
    2. 製造方法
    3. 吸水原理
    4. 特性と用途展開
    5. 現行品の課題
  2. 生分解性高吸水性樹脂
    1. 意義
    2. これまでの検討例
    3. 生分解性評価方法
  3. セルロース系高吸水性樹脂
    1. 分子設計
    2. エステル誘導体による検討
    3. エーテル誘導体による検討
    4. 架橋方法の検討
  4. 多糖類系高吸水性樹脂
    1. 分子設計
    2. セルロース系との比較
  5. おわりに
    1. 生分解性高吸水性樹脂の課題と将来展望

第2部 ヨウ素移動重合を利用した高吸水性樹脂の高性能化

(2020年9月24日 14:30〜16:00)

 制御ラジカル重合法は過去30年に渡り様々な応用展開が期待されながらも実用性化の壁に阻まれ、現状はニッチな領域への展開に限られ、そのほとんどが低分子量特殊構造ポリマーへの適用である。  今回、従来の実用化事例とは一線を画する事例として、紙おむつ用の吸水材として大規模生産されている高吸水性樹脂 (超高分子量ポリアクリル酸の微架橋体) を対象とした弊社開発事例を紹介する。着想から工業化までの経緯及び開発のポイントとなった「ヨウ素」の特長を解説するとともに、従来の実用化事例を俯瞰し、今後の普及に向けた課題と展望を述べる。

  1. 高吸水性樹脂 (SAP) の概要
    1. 定義、一般組成、用途
    2. 工業的製法
  2. 開発の着想
    1. SAPの基本性能・ゲル物性
    2. 従来ゲルの課題 (網目の不均一性)
    3. 制御ラジカル重合による網目均一化アプローチ
    4. 想定技術課題
  3. 重合法の選定と有機ヨウ素制御剤の開発
    1. 制御ラジカル重合法の比較と選定
    2. ヨウ素移動重合法 (ITP法) の特長と有機ヨウ素制御剤の設計
    3. 分子量制御効果の確認
  4. 高吸水性樹脂への適用と工業化
    1. 吸水性能の改善
    2. ゲル構造解析と網目の均一化
    3. 工業化
  5. 他の実用化事例から見る普及への課題と展望

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