車載用リチウムイオン電池のリサイクル技術動向と産業各社の取り組み事例

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第1部「車載用リチウムイオン電池リサイクル技術動向と成分分離のための焙焼・破砕・選別プロセス」

(2020年10月14日 10:30〜11:40)

 車載用リチウムイオン電池の需要はますます拡大すると予想され、そのリサイクルプロセスの確立は急務である。成分分離ではベースメタルに加え、コバルトやニッケルなどのレアメタルの分離回収や、リチウム、フッ素の処理に至るまで、種々の分離濃縮技術が検討されているが、回収・運搬プロセスや処理量も考慮しながら、経済的に成り立ち得るプロセスを適切に選択する必要がある。  本セミナーでは、解体→物理的分離→化学的分離に至る一連のプロセスを概観すると共に、講師らによる高度分離技術開発の試みについても紹介する。

  1. SDGsと資源循環
  2. 資源循環のための分離濃縮技術
    1. 分離濃縮技術の概要
    2. 単体分離と相互分離
  3. リチウムイオン電池のリサイクルプロセス
    1. リチウムイオン電池のライフサイクル
    2. 国内外におけるリサイクルプロセス検討の現状
  4. 加熱プロセス検討の紹介
    1. 加熱による正極材粒子の変化
    2. 加熱と物理選別による分離プロセス検討の紹介
  5. 電気パルスによる分離プロセス検討の紹介
    1. 電気パルス法の概要
    2. 電気パルス法による正極材分離検討の紹介

第2部「DOWAエコシステム 株式会社 の車載用LIBリサイクルへの取組み」

(2020年10月14日 12:30〜13:40)

 DOWAエコシステム 株式会社 は、鉱山・製錬事業で培った技術を基盤に、廃棄物処理やリサイクル、土壌浄化などの幅広いサービスを提供しています。車載用LIBに関しては、使用済みLIBや、その製造工程で発生するスクラップ等の、安全・適正な処理とリサイクルに取り組んでいます。廃棄される車載用LIBパックは数百Vの電圧を有していることから、解体処理にあたっては感電や火災などの危険性が懸念されます。また、LIBの構成物である電解液には有機溶剤などの有害性がある物質も含まれます。DOWAエコシステムでは、これらのリスクをもつLIBを安全・適正に失活・無害化することを重要視した処理手法として、産業廃棄物の中間処理施設を用いた焼却処理を採用しています。  一方で、LIBには電池筐体として鉄、アルミニウム、集電体として銅、アルミニウム、正極活物質としてコバルト、ニッケル、リチウムなどが使用されており、これら金属は資源有効利用の観点から回収が望まれています。DOWAグループでは、 焼却処理後のLIBを鉄とそれ以外の金属混合物に分け、金属混合物は溶融して人口骨材と製錬原料にリサイクルしています。これに加え、より効率的にそれぞれの金属をリサイクルするために、熱処理後LIBを破砕・選別し、鉄、アルミニウム、銅、コバルト・ニッケル混合物などに分離・回収する再資源化ラインを導入しました。  今後、LIBの廃棄量の増加や各金属資源のリサイクル需要に応じ、再資源化ラインの能力拡大や高付加価値化についても検討していきます。

  1. DOWAの資源循環型ビジネス、LIBリサイクルにおけるDOWAの位置づけ
  2. DOWAのLIBリサイクルプロセスについて
  3. 熱処理プロセスについて
    • 熱処理の目的
    • 廃棄物焼却施設の活用
    • DOWAの熱処理施設
    • 熱処理の最適条件 (リサイクルを考慮した熱処理)
  4. 破砕選別プロセスについて
    • 破砕選別による有価物回収プロセスについて
    • 破砕機の選定について
    • プロセスの課題について
  5. 今後の技術開発について
    • 各産物の回収・付加価値向上に関する技術開発

第3部「車載リチウムイオン電池のリマニュファクチャリングと蓄電システム開発事例​」

(2020年10月14日 13:55〜14:55)

 電動化が進む次世代自動車の割合は年々増加しており、特に国内においてはハイブリッド車 (HEV) の販売台数が圧倒的に多く、2018年には約143万台 (一社;次世代自動車振興センター資料) になっている。今後、廃車時のHEVから回収される車載電池の増加が見込まれる。また、HEVのリチウムイオン電池 (LiB) は電気自動車と比較して、劣化が小さく、回収された後も相当程度の余寿命を有する。しかし、HEVの車載電池は車へのリユースニーズが無く、車載以外の循環利用の探索が必要である。  上記の背景から、HEV搭載のLiBを車載以外の定置用の製品にリマニュファクチャリングし、循環利用することでCO2削減を図り、新たなリユースビジネスを構築するための蓄電システム開発事例を紹介する。
(本開発事例は環境省委託事業 2018年度、2019年度省CO2型リサイクル等設備技術実証事業で実施した内容について紹介しております。)

  1. リコーグループ/リコー環境事業開発センターの取り組み
    1. リコーグループの環境経営への取り組み
    2. リコー環境事業センターの取り組み
    3. リユース・リサイクルセンター
    4. 複合機/プリンターのリユース・リサイクル技術
    5. リユース・リサイクルの流れ
  2. HEV用LiBのリマニュファクチャリング検証事業 (2018年度 実証事業)
    1. 実証事業の目的とビジネスモデル概要
    2. ビジネスモデル検証
    3. 回収物流の実証
    4. リユース蓄電池の動作検証及び蓄電池装置付きEV充電実証
    5. LCA評価、CO2削減量の試算
    6. 事業の実現可能性および今後の見通し
    7. 2年目 (2019年度) の実証予定
  3. HEV用LiBのリマニュファクチャリング検証事業 (2019年度 実証事業)
    1. ビジネスモデル検証
    2. LiBパック輸送試験
    3. LiBパック選別技術開発
    4. リユース蓄電池付EV急速充電器のフィールド機実証試験
    5. LCA/CO2削減量の試算
    6. 商用化に向けたマイルストーン

第4部「中国における車載LiBのリサイクル&リユースの動向」

(2020年10月14日 15:10〜16:30)

 中国における新エネルギー車 (NEV) の販売台数は2019年の補助金削減以降、ペースが落ちています。直近で中国工业和信息化部が発表した2020年6月のNEV販売台数も前年比で大きく減らしています。新型コロナウイルス (COVID – 19) の再燃リスクも完全には排除できず、経済の成長率にもマイナスの影響を与えることが想定されます。車載用リチウムイオン電池はコバルトフリーバッテリーやミリオン・マイルバッテリーがトレンドとして浮上してきていますが、リサイクルに対する取り組みも新エネルギー車産業の持続可能な開発および低炭素社会の構築のため、強化しなければならないテーマです。2019年11月7日に、工业和信息化部は、「新能源汽车动力蓄电池回收服务网点建设和运营指南」を出し、リサイクルスキームの構築を急ごうとしています。  本講演では中国の車載バッテリーのおける最新のリサイクル、リユース動向について発表いたします。

  1. 中国におけるEVトレンド
    1. 中国EV市場アップデート
    2. 中国LiBサプライヤーアップデート
    3. 新型コロナウイルス (COVID-19) のインパクト
    4. テスラ社が中国EV市場に与えるインパクト
  2. 中国における車載LiBリサイクル、リユース動向
    1. 車載LiBリサイクル、リユースに関わる法規制
    2. 各社の取り組み
    3. ユーザーの意識
    4. リサイクル、リユーススキーム分析
    5. ボトルネック分析
  3. 市場規模分析
    1. 中国EV市場
    2. 中国車載LiB市場
    3. 中国車載LiBリサイクル、リユース市場
    4. 競争環境分析
      • LiBリサイクル
      • リユース市場
    5. CATL社戦略分析
  4. 結論
    1. 中国車載LiBリサイクル、リユース市場とSDGs
    2. スマートシティーの一要素としての中国EV

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