今や製造業は100年に一度の変革期を迎えたと言われています。IoTやAI (人工知能) の急速な進化と普及は、モノづくりが新たな段階に入りつつあるように感じられます。とはいえ製造業の基本は競合メーカーに対し「優位性」を保ち続けること、且つお客様の「信頼」を得ることにあります。これは普遍的に取り組まねばならない課題であり、それに相応しい設計段階の取り組みをせねばなりません。その取り組みは、「優位性」を保つための「先行開発段階」と、そのアウトプットを受けお客様の「信頼」を得るための「量産設計段階」から構成されます。その中で、本日の研修は、量産設計段階の取り組みを高め、伸ばす役割を担っている「デザインレビュー」を取り上げます。
量産設計段階のデザインレビューは、お客様の信頼を得る図面を後工程に流すまでの活動、すなわち、設計プロセスに組み込まれた体系的な活動と捉えます。そのため、お客様のニーズや、それを踏まえた機能、性能、コストといった「設計目標値」とその「対応方法」、「詳細設計」、「安全設計」、「品質評価」など、設計段階の全ての開発課題を対象とします。つまり、デザインレビューの取り組みは、図面のレベルに大きく影響し、設計段階でのアウトプットを左右するのです。いわば、設計力とデザインレビューは表裏一体の関係。ここに、デザインレビューの重要性があります。
本研修では、「設計力とデザインレビューはどのような関係にあるのか」、「設計プロセス (手順) の中でデザインレビューはどのように行われるのか」、「デザインレビューでは何を議論するのか」、「デザインレビューでは何を準備するのか」などについて、具体的に取り上げて解説していきます。
- 品質への設計の役割は大きい
- あってはならない重至命故障
- 品質不具合の多くは設計に起因する
- 品質不具合の未然防止とは
- 7つの設計力
~設計者が身に付けるべき7つの設計力とその中でのデザインレビューの位置づけを解説~
- 設計の役割はお客様の思いを具現化する手段を見える化すること
- 7つの設計力が設計段階の品質120%を決定する
- 100万個造っても1個でも不具合を出さないための取り組み
- 7つの設計力の前提条件
- 設計者が身に付けるべき7つの素養
- 設計の手順
- 技術知見やノウハウ
- 設計ツール
- 人と組織
- 判断基準
- 議論 [デザインレビュー] ・審議
- 設計風土・土壌
- 設計者が乗り越えねばならない普遍的な課題
~設計に起因する不具合が、いつまでたってもなぜなくならないのかを解説~
- 設計にあいまいということはない
- イレギュラーはない、理論に基づくイレギュラーがあるのみ
- 設計の本質的且つ普遍的な課題
- INPUT×要素、要素×要素、要素×ストレスの交互作用を全て知り尽くしているか、設計でもれなくコントロールできているか
- デザインレビューの役割
~デザインレビューは、設計力の活動結果への気づきの場であることを解説~
- デザインレビューは討論、議論、混同してはいけない審議、決裁
- 検討抜けや検討不十分な取り組みへの気づきの場であり、上司承認の場と区別が出来ているか
- デザインレビューを定義づけると
- 定義から見えるデザインレビューの基本的な仕組み
- 限られた時間と場所で設計力の活動を行う仕組みであること
- デザインレビューの使い分け
~デザインレビューは設計プロセスに組み込まれた体系的な活動であることを解説~
- 開発設計の流れにおける使い分け
- 設計活動の節目及び節目内の要素作業別の結果を対象とする
- デザインレビューの階層構造
- 節目デザインレビューの具体的な実施要領
~節目デザインレビューを実施するための具体的なマニュアルついて解説~
- 設計プロセスにおける使い分け
- 設計プロセスは3つのグループから構成され、DRは第3グループに入る
- 新製品管理ランクとデザインレビュー
- 類似・次期型・次世代製品・革新的製品と新規性が大になるに従い、DRの対象は増加する
- 管理ランクと節目デザインレビュー
- 節目デザインレビューと個別検討会
- 節目デザインレビューのメンバー構成
- 節目デザインレビューに準備するもの
- 設計、品質、生産技術、生産の立場で
- 「構想設計段階」のDRで必要十分な準備するものとは
- 「詳細設計段階」のDRで必要十分な準備するものとは
- 「生産準備段階」のDRで必要十分な準備するものとは
- 横展開
- 得られた知見は設計基準などの製品固有の基準類、失敗事例集など横断的な知見集へ反映する
- 節目デザインレビューの中でも最も重要な出図前のデザインレビュー
~詳細設計デザインレビューで議論すべき設計項目とそのまとめ方を解説~
- システム概要
- 製品動向
- 開発大日程
- 次期型コンセプト
- 設計目標値
- 構想設計
- 開発課題と対応策
- 詳細設計
- 安全設計
- 信頼得評価結果
- 目標達成状況
- 個別設計検討会
~主な個別設計検討会 (DR) についてポイントを解説~
- 過去トラ検討会
- DFM検討会
- 設計検証検討会
- DRBFM検討会
- 特殊特性検討会
- 専門分野検討会
- 仕入先DR
- デザインレビューを支える設計リーダ
~デザインレビューの効果は設計リーダに大きく依存することを解説~
- 人材育成
- 設計リーダのありよう
- デザインレビューをDRする
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