医療用医薬品の原料調達の多くを海外特に中国やインドに依存する状況が、新型コロナウイルス感染症拡大にともなう工場停止や国際物流網の寸断により、我が国のサプライチェーンの脆弱性が顕在化したとも言われている。原料や原薬など比較的廉価な生産拠点が、中国やインドなど海外に一点集中化していることが原因としてあげられるが、解決策として浮上するのが、原料や原薬工場生産拠点の国内回帰である。内製化 (自社製造) は低価格の原料・原薬製造の採算性の問題など一筋縄ではいかない問題も抱えるが、国内技術の承継や地域の雇用拡大などステークホルダーに与える影響も極めて大きいものが考えられる。最近の事例をもとに、「生産拠点海外依存からの医薬品原料・原薬の調達/確保」の実現の可能性を探る。他方、近年のPIC/S GMPやICHによるグローバル化に伴い、医薬品のサプライチェーンにおいても、CMO (製造受託事業) や円滑な原料・原薬調達を目的とした供給者 (サプライヤー) 管理が益々その重要度を増して来た。サプライヤー管理においてはその対象が、原材料や原薬・製剤の直接の製造業者のみならず、関連する製造機器や製造支援設備メーカー、コンピューターなどのハードソフト製造業者、そして流通業者なども加わり、より広範な領域に拡大している。これらを適切に管理することが、医薬品の品質保証や安定供給確保にとっては遵守すべき必須要件であることは言うまでもない。医薬品は特性上グローバルな商材であるが故、グローバル化した医薬品原料・原薬の適正な管理なくしては、市場へ製品供給不可、引いては市場への製品欠品という深刻な事態を招くことにもなりかねない。医薬品品質システム (PQS) 及び品質リスクマネジメント (QRM) 管理の観点から、「海外ルートの医薬品原料・原薬の品質管理・サプライヤー管理」の重要性、留意点について、事例を交えながら解説する。
- 中国・インド以外の医薬品原料・原薬調達ルートとその活用
- 生産拠点海外依存からの脱却
- 原料調達ルート、国内自製の対応 (事例紹介)
- 目的及び内容
- 海外依存度の高い原料・材料の供給途絶リスク解消のための生産拠点整備
- 資金調達 (自己資金以外、サプライチェーン対策国内補助事業の活用等)
- 設備機械事業の先端化
- 生産拠点の一国集中からの回避
- サプライチェーン強靭化
- 生産拠点国内回帰による投資誘発効果
- 国内回帰への課題と対応
- 海外ルートの医薬品原料・原薬の品質管理・サプライヤー管理
- CMO/供給者管理・原料調達過程における選定評価と契約のポイント
- はじめに
- CMOの増加と背景及びCMO管理の留意点
~適切なサプライヤー (供給者) 管理及び外部試験検査管理の留意点
- CMO/サプライヤーの選定評価、 契約、技術移転、安定生産
- CMO/供給者 (製造業者及び原材料供給業者) との品質取決めとGDP
- 原料調達における供給者管理・契約上の留意点
(製品欠品を起こさないための適切な原材料管理)
- 原料 (出発物質、原薬、添加剤) 供給者管理における手順書、製品標準書
- 委託先・原料調達における訪問調査 (実地調査) の実施例
- 製造業者 – 原薬製造業者 – 輸入業者3者間の品質取決め (和英対応取決めの雛形)
- GMP基準を踏まえた、受け入れ試験実施およびサンプリングの手法
- サプライヤー管理における受け入れ試験およびサンプリング
- 原則および採取する職員
- 出発原料のサンプリング
- √n + 1
- サンプリング数の削減
- JIS抜取試験
- CMO/サプライヤーの品質管理・監査のポイント
- CMO/サプライヤー監査とは
- CMO監査とサプライヤー監査の違い及び、供給者選定における監査の位置と比重
- 供給者に求められる品質保証と監査のタイミング
- 委託・納入先との適正な品質保証システムとは
- 監査手順、新規CMO/サプライヤーと認定評価済CMO/サプライヤー
- 評価の留意点と重要ポイント (技術移管、遵守事項)
- チェックリストによる詳細確認事項の具体例
- 海外供給業者への監査手順と評価法
- 包装
- 製剤
- API
- 原料中間体
- 資材容被製造施設
- 試験施設における実施例
- サプライヤー管理の要件と今後の課題
- GMP省令改正 (来年度公布予定) と供給者管理:規制当局の動向
- FDA査察指摘トレンドと課題
- 医薬品品質システム (PQS) 及び品質リスクマネジメント (QRM) の活用
- ICH Qトリオ及びQ12による継続的な品質改善と得られる成果
- CMO/サプライヤー管理におけるリスクマネジメントの活用
- まとめ
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