オイルゲルの物性・品質・感触制御技術と品質トラブル対策

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本セミナーでは、オイルゲル処方設計の基礎、物性制御の考え方から、ブルーミング、発汗、ゲル物性の経時変化などの品質トラブル抑制、物性制御による使用感触のコントロール、今後のゲル化剤・オイルゲル開発の指針まで解説いたします。

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プログラム

油性ゲル化・増粘剤を活用する技術は、化粧品分野において、メイクアップ製品やメイク落としなどの基剤として、また乳化系での増粘・安定化に用いられている。また、食品分野でも、洋菓子・マーガリン・チョコレートなどの製品で、油脂結晶の調整や成長抑制、飽水性・乳化性能の改質のために用いられており、最近では水添油脂の代替技術としても検討が進んでいる。医薬品分野においては軟膏・パッチなど経皮吸収製剤の基剤として、持続性、浸透性の良否にも重要な影響を与えている。  油性ゲル・増粘剤の選定の基本は、各種オイルを所望の物性になるようにすることであるが、ゲルからオイルが分離したり、あるいはゲル硬度や粘度が経時によって変化するなど品質安定性をおこさないことも重要である。また、上記分野の製品は肌に直接触れたり食べたりするものであることから、ゲルを崩して「塗布する感触」や「溶け心地」など高度な物性制御も望まれている。  各分野用に多様なゲル化剤が市販されているが、物性・品質・感触の観点から製品に適した適切なゲル化剤を選択し、場合によっては組み合わせて使用することが必要になる。そのためには各ゲル化剤の「ゲル化の機構」を理解し、そのゲル化剤の得意不得意を踏まえて製品設計をおこなう必要がある。  本セミナーでは、ワックス類なども含めた多種多様なゲル化剤について、その作用機構に基づいた分類とそれぞれのゲルの物性の特徴、そしてこれらがおこしがちな品質トラブルについて解説をおこなう。実例としては、最も多様なオイルとゲル化剤が活用されている分野のひとつである「化粧品用のゲル」を題材とするが、作用機構や品質トラブルはどの分野に置いても共通であることから、課題解決や新製品開発のための手がかりになると考られる。また、現存のゲル化剤・増粘剤の課題を紹介し、新規なゲル化剤開発のヒントを提供したい。

  1. ゲルの基本、ゲルとはなんだ?
    1. オイルをゲル化・増粘する機構
    2. どうしてオイル分離 (離漿) をおこしてしまうのか
  2. ゲル化剤の種類とその性質
    1. 透明性の高いゲルを作る (低分子ゲル化剤)
    2. 加熱を必要としないゲルを作る (コロイドゲル化剤)
    3. 多様なオイルをゲル化する (ポリマー・オリゴマーゲル化剤)
    4. 硬いゲルを作る。プルプルのゲルを作る (ワックス)
  3. オイルの種類とゲル化機構
    1. オイルの種類とゲル硬度の関係 (オイルの極性・粘度)
    2. ワックスの種類とゲル硬度の関係
  4. 油性ゲル製品のトラブルのその対応
    1. オイルが分離してしまう (離漿、発汗)
    2. 結晶が分離析出してくる (ブルーミング)
    3. ちょっとした製造条件の差によるゲル物性の変化
    4. ほんの少しの共存物質が悲劇を呼ぶ
    5. 光学顕微鏡観察でわかること、勘違いしてしまうこと
    6. 電子顕微鏡でゲルの微細構造を観察するための技術
    7. ゲルの熱分析でわかること、わからなくなること
  5. 着色剤の油性ゲルへの分散
    1. 顔料の分散性に影響を与える因子
    2. 顔料分散剤の活用
  6. 最近のリップ化粧品の持続技術
    1. 持続性着色剤を用いた技術
    2. ゲル増粘機構を用いた技術
    3. 高屈折率オイルおよびブリードオイルを用いた技術

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