ゲノム編集技術の基礎と応用

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本セミナーでは、ゲノム編集について基礎から解説し、最新技術・研究動向など今後の展望を踏まえて解説いたします。

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プログラム

ゲノム編集とは、簡単に言えば生物の持つ遺伝情報であるDNAの配列を、意のままに改変することです。それだけを聞くとまるで映画か小説のようですが、非常に基礎的な分子生物学に基づく科学技術により、現実のものとなりつつあります。このセミナーでは、ゲノム編集について学び始めた方、着手して間もない方を対象にその基礎から最新技術、応用までを、私が実際に見てきたことも含めてお話しします。

  1. ゲノム編集の基礎原理とこれまでの道のり
    1. ゲノム編集の原理
      1. 前ゲノム編集時代 1:遺伝子ターゲティング (ノ ックアウトマウス作製の原理)
      2. 前ゲノム編集時代 2:トランスジェニック技術 (遺伝子組換え作物の原理)
      3. ゲノム編集とは
      4. Non-Homologous End-Joining (NHEJ) /非相同末端結合
      5. Homologous Recombination (HR) /相同組換え
      6. Microhomology-Mediated End Joining (MMEJ) / マイクロホモロジー媒介末端結合
    2. ゲノム編集の前 CRISPR/Cas9史
      1. メガヌクレアーゼ時代の取り組み状況
      2. Zinc Finger Nuclease (ZFN) 時代の取り組み状況
      3. Transcription Activator-Like Effector Nuclease (TALEN) 時代の取り組み状況
  2. CRISPR/Cas9の特長とゲノム編集ツールの比較
    1. CRISPR/Cas9とは (ゲノム編集の革命児)
    2. CRISPR/Cas9発見の歴史 (日本人が最初に発見)
    3. CRISPR/Cas9の特長
    4. ゲノム編集ツールの比較
      1. ZFNのメリット・デメリット
      2. TALENのメリット・デメリット
      3. CRISPR/Cas9のメリット・デメリット
  3. ゲノム編集の現状と最先端技術
    1. ゲノムを編集するために
      1. ゲノム編集に必要な器具・設備
      2. 必要な知識やスキル
      3. 実験の具体的な進め方
    2. ゲノム編集の各ツールと特徴
      1. Cas9 Nickase:DNA二重鎖の片方だけを切断する
      2. FokI-dCas9:CRISPR/Cas9とZFN/TALENとのあいのこ
      3. 非特異的な変異の導入を軽減する高精度Cas9改変体
      4. PAM改変Cas9:標的にできる配列の種類を増やす
      5. saCas9とcjCas9:生体ゲノム編集を目指す小型のCas9
      6. 分割Cas9:ゲノム編集の時間的調節と特異性の向上
      7. 塩基編集技術 (Base Editing) :DNA を切断せずに塩基を直接編集する
      8. Prime Editing:DNAを切断せずに逆転写酵素を使ってゲノムを編集する
      9. anti-CRISPR:自然界に存在するCRISPR/Cas9の阻害分子
      10. CRISPR/Cpf1 (Cas12a) :Cas9ではないCRISPR
    3. CRISPR/Cas9のゲノム編集以外の目的への応用
      1. CRISPRi:遺伝子の発現抑制
      2. CRISPRa:遺伝子の発現活性化
      3. GFP融合Cas9:ゲノムDNAの配列特異的可視化
      4. エピゲノムエフェクター融合Cas9:エピゲノム編集
      5. CRISPR/Cas13a (C2C2) :RNAを標的とするCRISPR
  4. ゲノム編集技術の応用
    1. 動植物・生体への応用
      1. 遺伝子改変モデル生物の作製:サルなどの大型動物でも遺伝子改変可能
      2. 遺伝子改変畜産動物の作製
      3. 遺伝子改変農作物の作製
      4. Gene Drive:生物集団を遺伝的に制御、蚊がいなくなる日が来る?
      5. 細胞系譜の追跡:細胞が分裂して増えてきた歴史を辿る
      6. データを生きた細菌のゲノムに記録する:大腸菌に動画を保存?
      7. 微量のウイルスの検出:新たなウイルス性疾患の診断薬に
      8. ヒト受精卵のゲノム編集?:倫理と今後の課題
    2. iPS細胞による疾患モデルへの応用
      1. これまでのiPS細胞による疾患モデルの課題
      2. 心臓疾患モデル
      3. ダウン症モデル
    3. iPS細胞による細胞移植治療への応用
      1. iPS細胞による細胞移植治療の課題と取り組み
      2. 標的疾患:肝臓疾患、眼疾患、心疾患、神経疾患など
      3. 細胞移植治療をめぐる状況
    4. 生体内・外ゲノム編集の応用
      1. モデル生物の問題点
      2. HIV治療:最も開発の進んでいるゲノム編集による疾患治療
      3. 筋ジストロフィー治療
      4. 腫瘍免疫によるガン治療:本庶佑先生のPD-1を編集
      5. 眼疾患の生体内ゲノム編集による治療
      6. 血液疾患などその他の疾患の治療

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