第1部 製品音の価値とその評価法
(10:30~12:30)
製品音をデザインする際には、その聴感印象や物理特性の評価によって、現状把握と改善の方向性を検討することが多い。しかし、製品の価値の向上を目指すためには、音に対するユーザーの潜在ニーズの把握や音のデザインによってもたらされる価値の評価が重要と思われる。本講座では、音のデザインのための、従来の評価法とは異なる種々の評価手法と製品音への適用事例について紹介する。
- 音の評価に用いられる従来手法
- SD法とその適用事例
- 対比較法とその適用事例
- 製品音の音質の経済評価
- 仮想評価法とその適用事例
- コンジョイント分析とその適用事例
- 製品音の価値評価の構造分析
- 評価グリッド法とその適用事例
第2部 機械製品の快音設計とスマートサウンドスペースの構築方法
(13:30~15:00)
家電や自動車など機械製品から発生する動作音を快音設計する効果や、その具体的な手順について事例を交えて紹介する.また、五感の一つの聴覚が、他感覚から受ける影響について説明し、感覚形成による感性価値やスマートサウンドスペースによる空間価値の向上について解説する。
- はじめに
- 音環境の変遷と快音設計の効果
- サウンド・ブランディングと音商標
- 音のしくみと聴感特性
- 主観的および客観的な音質評価
- システムモデルと対策方法
- 快音設計の手順と事例
- 聴覚が他感覚から受ける影響
- 快適かつ機能的なスマートサウンドスペース
- まとめと今後の展開
第3部 家電製品の快音設計
~快音化、サウンドデザインの取組~
(15:10~16:40)
『サウンドデザイン』、『快音』などの言葉は、古くから使われている。
しかし、家電製品への適用や国内の浸透度は今一つ。
理由として、①言葉が先行、②開発者の思いが先行、③結果が価値につながってない、など。
家電業界で浸透してない原因の一つに、古くから“騒音値”を指標とした「低騒音=数値競争」が背景にあって、未だ騒音値表記を製品比較としていることが「積極的な音利用」に繋がらないことがある。
しかし、低騒音化も進み、その結果、今まで目立たなかった音に対する対策が重要になっているのも事実である。
『音で生活者に快適性を与える (快音化) 』、『音で製品を表現 (サウンドデザイン) 』の考えを重要と思う技術者も出てきており、「製品排出音の制御」や、積極的な「音」利用した製品つくりに取り組むようになってきた。
製品は生活者=人間相手。開発もスピードが命。そこで、音への感覚量をなるべく簡単に抽出して、その結果をもとにした制御手段を取り入れた製品導入が重要と考えている。
これまでの取組結果の一例を紹介する。
- 取組の概要
- 国内と海外の測定法の違い
- 音に対する海外と日本の考え方の違い
- 快適性向上を目的とした音の積極的利用
- 製品音の設計手法と音の制御
- 聴取時の感覚量の抽出方法
- A: 掃除機への適用例
- 主観評価結果を背景にした快音化への対策技術開発一例
- B: エアコン送風音への適用例
- C: 換気扇への適用例
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