伸長流動による混錬技術とその応用

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本セミナーでは、混練の基礎、高分子材料の均一分散のための理論から、セグメント開発のポイントまで解説いたします。

日時

中止

プログラム

第1部 混練のメカニズムと伸長流動による樹脂の高品質化

(2020年9月16日 10:30〜12:00)

 近年、樹脂製品の高機能化を目的にポリマーブレンドやナノコンポジットにおいて厳しいレベルのナノレベルの均一分散技術の開発が望まれている。本講座では伸長流動の基礎から先端の混練技術までの紹介・解説を行う。

  1. ナノフィラー均一分散の考え方
    1. ナノフィラー分散における課題
    2. 一般的なナノフィラー分散技術
    3. 溶融混練における混練理論
  2. 溶融混練における伸長流動の必要性
    1. 剪断変形と伸長変形
    2. 各種変形下におけるレオロジー特性
    3. ポリマーブレンド・フィラー分散系における伸長流動の利点
    4. 伸長流動を利用した既往の混練技術
  3. 単純伸長流動場におけるナノフィラーの分散実験
    1. 伸長流動理論に基づくCNT分散実験の考え方
    2. プロセスパラメーターとCNT分散状態の関係
    3. 二軸押出への適応を目的とした一穴から多貫通孔への展開
  4. 二軸押出機のための伸長流動型混練セグメントの開発
    1. 噛み合い式同方向二軸押出機への多貫通孔セグメントの適応
    2. 新規伸長流動型セグメントの開発とそのコンセプト
    3. 新規伸長流動型セグメントの流動特性・混練特性

第2部 伸長流動装置による機能性樹脂の高品質化

(2020年9月16日 13:00〜15:00)

 混練は伸長流動と剪断流動で進行する。ウトラッキーにより1995年に発表された伸長流動装置は、ナノ分散を実現したが、量産性に難があった。その後コニカミノルタで開発された伸長流動装置 (カオス混合装置) はその問題を解決するとともに、二軸混練機で宿命的な混練の不均一性を解決できる装置で、樹脂の品質を向上するとともにフローリーハギンズ理論で相溶が否定されたPPS・6ナイロンの系を相溶する能力を発揮している。

  1. 混練概論
    1. ゴムの混練
    2. 樹脂の混練
    3. 二軸混練機の問題
    4. 新しい混練装置
  2. 伸長流動装置 (カオス混合装置)
    1. カオス混合
    2. 開発の経緯
    3. PPS/6ナイロン中間転写ベルトの開発
  3. 応用事例
    1. 難燃性樹脂
      1. UL94.V2合格樹脂の事例
      2. UL94.V0合格樹脂の事例
    2. ナノ物質の分散

第3部 各種プラスチック成形分野における伸長流動データの活用

(2020年9月16日 15:15〜16:45)

 フィルム成形、ブロー成形、発泡成形に代表される自由表面下の賦形を伴う成形では、溶融樹脂の伸長流動場の粘弾性特性が成形性を決定づける。また、射出成形やダイ内流動など、壁面の拘束により剪断流動が支配的となるプロセスにおいても、伸長流動特性が成形性に影響する場面がある。本講では、これらの成形プロセスにおける伸長流動特性の影響を、数値シミュレーションにより解析した結果を紹介する。

  1. プラスチック成形加工における伸長流動
    1. 伸長流動が現れる場面
    2. 伸長流動の形態
      • 一軸
      • 二軸
      • 平面
    3. 樹脂構造と伸長粘度
  2. フィルム成形における伸長流動
    1. ダイ内流動
    2. 不安定現象
  3. ブロー成形における伸長流動
    1. ダイ内流動
    2. パリソン形成
    3. ブローアップ
  4. 発泡成形における伸長流動
    1. 気泡形成
    2. 発泡体の延伸、破泡
  5. 射出成形における伸長流動
    1. フローフロント
    2. ゲート部糸曳

会場

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