海外データ (試験施設) /海外導入品の信頼性基準適用と効率的なデータ利用・CTD申請 (1日目)

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
オンライン 開催

日時

開催予定

プログラム

1日目 セッション1 『本邦特有の非GLP試験における信頼性確保及び実経験に基づく海外試験施設の実際・利用時の考え方』

(2020年6月18日 10:30〜12:20)

 日本において、医薬品・医療機器等を承認申請する場合は、GCP、GLP、信頼性の基準及びGMPなど、様々なレギュレーションが関係してくる。その中でも、信頼性の基準については、各社に試験実施システムの構築を任されているが、信頼性の基準発足当時の各社のメンバーは定年退職、昇進または部署異動等で、実務者は世代交代の時期に来ていると感じる。  前半では、製薬会社や試験受託機関に就職した方々に対しては、どのような考え方や視点で試験を実施し試験の信頼性を表現すれば「信頼性の基準」に合致するのか、信頼性の基準の変遷とともに。また、部署異動等によって新たに「信頼性の基準」に携わることになった方々には、今までご自分が経験したレギュレーション (GLP、GMP又はGCP等) を起点に、「信頼性の基準」との比較・応用が容易になるように。更に「信頼性の基準」の中でも、薬理試験、薬物動態試験及びCMCそれぞれ特有の考え方や違いについても解説したい。  後半では、海外では認知されていない日本独自の「信頼性の基準」を、海外 (特に米国) ではどのように展開すれば適切に実施して貰えるのか、海外CROに試験委託する場合や海外からの導入時のデータの信頼性等をイメージしてチェックポイントを列挙すると伴に、語学があまり得意ではない方の対応方法についても自らの経験から解説したい。

1. 日本特有の非GLP試験における信頼性確保の考え方・留意事項

~GLP/GMPとの比較・相違と試験効率化に向けて~

  1. 信頼性の基準の発足理由
  2. 社内の信頼性の基準のシステム構築
    1. 各社のシステム構築の流れ
    2. 施設をマネジメントする者
    3. 試験の責任者
    4. QC/QA
  3. 信頼性の基準とGLP/GMPとの相違
    1. 施設をマネジメントする者
    2. 試験責任者
    3. QA
    4. 手順書 (SOP)
    5. 試験計画書と最終報告書
    6. 機器
    7. 試験の一部委託
    8. 被験物質 (標準物質)
    9. その他
  4. 過去の適合性調査から今へ ~調査形式の移行~
    1. 信頼性の基準発足当初
    2. その後
    3. 現在
  5. データインテグリティー (DI) ~信頼性の基準への影響を考える~
    1. DIとは
    2. DIの影響
      1. 経営層の関与
      2. 生データの定義
      3. ブランクフォームの管理
      4. アクセス制限と監査証跡
    3. 信頼性の基準とDI
  6. 試験の委託 (国内CRO・大学施設・海外CRO)
    1. 国内CROの現状と監査
    2. 海外CRO:委託時に苦慮する点と対応
    3. 大学施設での実施・委託
  7. 記録の取り方:苦慮したケースと学んだこと
  8. データのねつ造、隠匿、隠蔽と内部告発
    1. 不都合試験の隠匿
    2. バックデート
  9. SOP
    1. SOPに記載されていないこと~CMC分野と薬理試験・薬物動態試験での考え方の違い~
  10. チェックリストの効果的な利用
  11. QCとQA
    1. CとQAの関係性
    2. QCとQAの実施タイミング
  12. CMC分野とGMP
    1. DIの導入の可能性
    2. ICH Q9とQ10
  13. 科学性と信頼性
2. 海外CROへの試験委託時の効果的な施設調査のコツ

~実経験に基づく海外施設の実際と海外データ利用時の考え方~

  1. 海外のCROを利用するケース
    1. プロジェクト導入のケース
    2. 外資系企業のケース
  2. 海外の大学
    1. 大学施設のGLPと信頼性の基準
    2. Non – GLP大学施設とのコミュニケーション
  3. FDA申請について~FDA – GLP観点の重要性~
    1. FDA Form 483
    2. EIR
    3. Warning Letter
  4. 海外からの導入プロジェクト~海外で既に実施した非GLP試験を日本申請する場合~
  5. 海外CRO調査のチェックポイント
    1. チェック項目~各項目の留意事項とポイント~
  6. 海外データと適合性書面調査
    1. 以前の調査
    2. 最近の調査傾向
  7. 海外CRO施設調査
    1. 事前の質問
    2. 訪問調査
  8. 海外施設の注意点
    1. M&Aによる資料紛失・廃棄
    2. M&Aによる試験責任者の不在
  9. データインテグリティー (DI) ~信頼性の基準への影響と海外施設の現状~
  10. CMC分野について

1日目 セッション2 『CMC試験における信頼性基準適用の考え方と問題事例』

(2020年6月18日 13:10〜15:00)

 CMC試験における我が国の信頼性の基準適用試験について、【入門編、国内編】として、問題事例などを紹介しながら、信頼性基準適用の考え方を分かりやすく解説する。医薬品申請のための試験では、生データの取扱いと、それに基づく試験報告書作成、さらには、再分析に付随する不採用データや逸脱への対応と品質システムのあり方が信頼性確保の基本になる。  ここでは定量試験から定性試験、さらには構造決定試験におけるQC/QA実施のチェックポイントを踏まえて、見落としやすい例も交えて紹介する。

  1. 申請資料の信頼性の基準について
    1. 正確性
    2. 完全性・網羅性
    3. 保存
    4. データインテグリティとの関係
  2. 申請資料の信頼性の基準が制定された背景
    1. ソリブジン事件
    2. 申請資料の信頼性の基準の制定
  3. 問題事例
    1. 「正確性」に関する問題事例
      • 例1. 試験報告書では詳細に試験方法が記載されているが、生データには記載がない
      • 例2. 生データなどに試験番号の記載がない、あるいは試験番号の誤記
      • 例3. 試験結果に計算間違いがある
      • 例4. 分析機器の定期点検がなされていない (点検忘れ)
      • 例5. 標準品、試薬、試液などの有効期限切れ
      • 例6. 管理温度の逸脱
      • 例7. データや試験報告書の確認 (チェック) や承認の不備
    2. 「完全性・網羅性」に関する問題事例
      • 例8. 再測定や不採用データに関する問題事例
      • 例9. クロマトグラム番号に欠番がある
      • 例10. 合格するまで再測定している
      • 例11. クロマトグラムを再解析したが、初回の解析データがない
      • 例12. 生データに関する問題事例
      • 例13. 機器に付属したコンピュータ及び電子データの管理に関する問題事例
    3. 「保存」に関する問題事例
      • 例14. 資料保存施設で記録類を管理していない
      • 例15. 資料保存庫内の保存資料が探し出せない
      • 例16. 資料保存施設の環境
      • 例17. 記録の不備、資料保存責任者の機能不全
      • 例18. 電子データの保存の不備

1日目 セッション3 『海外導入品CTD申請のCMC分野における留意点』

(2020年6月18日 15:15〜16:25)

  1. はじめに
  2. CTD日本申請におけるM3、M2.3とM1
    1. モジュール2.3 (M2.3) の違い
    2. CTDの構造
    3. M2.3とM1
  3. 根拠資料の入手と保管管理
    1. 不足データの検証
    2. M3の根拠資料
    3. M3根拠資料の入手
    4. 根拠資料の保管
    5. 根拠資料とM3の紐付け
    6. 根拠資料を元にM3を読み込む
    7. 現地確認
  4. M2.3翻訳時の注意点
    1. 優先順位
    2. M2.3に入れる項目
    3. 用語の統一
  5. 承認申請書作成上の課題
  6. 申請資料作成手順まとめ
  7. 照会事項対応
    1. 回答基本方針
    2. 照会事項回答書の作成の実作業留意点
  8. まとめ

受講料

複数名受講割引

全2コース申込セット受講料について

2日間コースのお申込み

割引対象セミナー