製剤の外観検査は、不良品を市場に流出することを防ぐことを目的に実施される。不良品を低減するには、検査で不良品を選別することではなく、まずは、不良品をつくらないことである。本講座では、はじめに、打錠障害の原因とその対策法について、説明する。
次に、医薬品の品質上の問題で回収される原因としては、異物混入が多く、異物としては虫、毛髪などであるため、防虫対策と毛髪の混入防止管理について解説する。
そして、異物に関する薬事法、日本薬局方について説明し、外観検査の進め方と目視による外観検査および検査機での外観検査、それぞれの問題点と解決法について解説する。さらに、検査結果の評価法と結果のフィードバックについても触れたい。
本講座で、錠剤の製造に関する基礎的知識と異物混入防止対策の基本および外観検査の本質を学習する。
- 打錠障害 (キャッピング、スティッキング) の原因とその対策法
- 原薬 (粉体) の圧縮のメカニズム
- 走査型電子顕微鏡でみる粉体の圧縮
- 原薬 (粉体) の圧縮性の評価
- 粉体の流動性の評価法
- 錠剤の含有水分と成型性
- 打錠機の金型 (杵) の管理方法と寿命
- キャッピングの機構および評価法とその改善方法
- スティッキングの機構および評価法とその改善方法
- 滑沢剤の効果 (滑沢剤の評価法)
- 滑沢剤の混合時間と展延状態
- 外部滑沢打錠法と内部滑沢法との比較
- 新規滑沢剤
- 異物混入の原因とその対策法
- 国内の苦情事例
- 医薬品回収の原因
- 錠剤の異物汚染特性要因図
- 毛髪の混入防止管理
- 持込防止対策
(服装条件や毛髪除去作業手順など網羅した入退室基準を定める)
- 防虫対策
- 昆虫相調査
(捕獲された昆虫を同定し、虫の分布状態、発生場所、発生原因、侵入箇所などを推定)
- 侵入経路別グループと防虫対策等
- 錠剤製造における異物混入の原因
(原料~コーティング、錠剤印刷まで工程別)
- 錠剤製造における異物混入の改善策
(原料~コーティング、錠剤印刷まで工程別)
- 異物の同定と混入経路の解明
- 錠剤の外観検査方法
- 外観検査とは
- 異物に関する薬事法
- 異物に関する日本薬局方
- 錠剤の異物について (日本薬局方には?)
- 錠剤の製造プロセスと検査工程
- 不良錠の種類と発生原因
- 目視の問題点
(異物の大きさと検出率、目視の時間と能力)
- 外観検査機の問題点
(白色と黄色、割線と欠損、錠剤印刷と汚れの識別)
- 外観検査
- 検査段階の設定
- 原料資材の受け入れ
- 製剤の選別 (検査) 工程
- 最終製品検査
- 検査項目の選定と製剤の欠点分類
- 外観検査基準の設定 [限度見本 (合格限度の基準) の作成]
- 検査員の教育訓練と認定
- 検査結果の評価
- 検査結果のフィードバック
- 品質管理手法の推移
- 製品試験
- バリデーション
- PAT
- デザインスペース
- PATの最近の動向と具体的な実施例
- 日米EU医薬品規制調和国際会議 (ICH) の医薬品品質に関するガイドラインの1つ、
製剤開発に関するガイドライン (Q8) :デザインスペースについて
- 最近の外観検査技術