高分子系固体電解質の開発、評価とデバイス応用

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プログラム

第1部 プラスチッククリスタルを用いたフレキシブル固体電解質の作製とその特性

(2020年8月19日 10:30〜12:00)

 世界的なエネルギー需要の高まりを受けて、高エネルギー密度蓄電池、燃料電池、太陽電池などの電気化学デバイスの開発が推進されている。高効率な電気化学デバイスの開発に不可欠な材料の1つに電解質が挙げられる。現状は電解質として電解液を用いているが、可燃性液体を含むため漏液や発火事故などの問題が生じている。電解液を固体電解質に置き換えることができれば、それらの問題を解消できる。さらに、電気化学デバイスの大型化に伴い、より安全な電気化学デバイスに対する社会的要請もあり、高性能固体電解質の開発は益々活発化している。  本セミナーでは、固体電解質の新たな候補として柔粘性結晶について解説する。

  1. 柔粘性結晶の基礎
    1. 柔粘性結晶とは
    2. 構造的特徴
    3. 合成方法
  2. 柔粘性結晶の評価
    1. 熱的性質
      1. 相転移温度
      2. 熱分解温度
    2. 結晶構造
    3. イオン伝導性
  3. 固体電解質としての柔粘性結晶
    1. リチウムイオン伝導体
    2. ナトリウムイオン伝導体
    3. プロトン伝導体
    4. ポリマー複合体
  4. 電池用電解質としての柔粘性結晶
    1. リチウム電池
    2. ナトリウム電池
    3. 燃料電池
    4. 太陽電池
  5. その他の応用
    1. ガス分離膜
    2. その他
  6. 総括

第2部 高分子ナノファイバーを用いた超薄膜、軽量、しなやかな全固体二次電池の開発

(2020年8月19日 13:00〜14:30)

 リチウムイオン二次電池には、電解質液体の固体化、つまり固体電解質膜からなる固体電池開発が望まれている。高エネルギー密度化が可能なことに加えて、全ての電池部材を固体材料のみで形成できる全固体型二次電池は、液体を含まないため安全性の著しい向上、強固なパッキング加工が不要となり軽量化を実現でき、電池のスタック (重ね合わせ) により高電圧化、高寿命化の達成が期待される。さらに車載用途や定置型用途ではこれまて゛以上の高性能化、大型化が望まれているため、それに伴い電池の放熱性増大が問題となる。それらを考えると、益々安全性に優れた全固体型二次電池が望まれることとなる。  全固体二次電池を開発するため、我々は有機電解液に代わる新しい固体電解質材料となるイオン伝導性ナノファイバーフレームワークから構成される全固体型二次電池用電解質膜を開発した。講演では、先す゛ナノファイバーの特徴を紹介した後、全固体型二次電池の問題点に言及、新しい全固体Li二次電池に関するコンセプト、作製法、リチウムイオン伝導性、電池特性 (リチウムデンドライト抑制、サイクル試験、安定性など) について紹介する

  1. ナノファイバーの特性とそのイオン伝導性
    1. ナノファイバーの合成とエレクトロスピニング法についての解説
    2. ナノファイバーの物性
      • ナノファイバーが持つ化学的、物理的特性について解説
      • ナノファイバーの応用展開
    3. ナノファイバーの伝導性
      • ナノファイバーを用いてイオン伝導性を向上させるための考え方
      • プロトン伝導性ナノファイバーからなる燃料電池の開発
  2. 超薄膜、軽量、しなやかな高分子全固体二次電池の開発
    1. これまでの全固体Li二次電池の現状
      • 高分子材料、無機材料の問題点
    2. ナノファイバーからなる新奇全固体Li二次電池の開発
      • 全固体電池開発の考え方
      • 電解質膜の作製法
    3. 全固体Li二次電池の電池特性
      • リチウムイオン伝導性、輸率、薄膜化、電池特性評価 (デンドライト抑制) 等の問題解決に向けた取り組み
  3. 今後の展開

第3部 高分子/無機複相型固体電解質の作製と低温特性の改善

(2020年8月19日 14:40〜16:10)

  1. 固体電解質が備えるべき性質
  2. 無機固体電解質
    1. 硫化物系固体電解質
    2. 酸化物系固体電解質
  3. 高分子固体電解質
  4. 高分子/無機複相型固体電解質
    1. 基本的な戦略
    2. 物性および各特性
    3. 界面安定性

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