第1部 高分子絶縁材料の劣化メカニズムと部分放電試験
(2020年7月30日 10:30〜13:45) (途中 昼食休憩を含みます)
ゴム・プラスチックに代表される高分子材料は使用環境に存在する劣化因子により経年劣化を生じる。適切な維持管理がなされない場合には、寿命を迎え時には大事故につながることさえある。したがって、高分子材料を有効に使用するためには劣化現象を正しく理解し、適切な劣化防止対策を施す必要がある。
本講では初めに高分子材料の劣化メカニズムと、特に影響の大きい部分放電現象を概説する。続いて、部分放電検出の最新技術動向を解説する。
また、各種ポリマーを選択する際の注意点や、高分子材料の劣化評価法について実例を交えて解説する。さらには、寿命予測に用いられる統計モデルの基本的な考え方やポイントを解説し、予測された寿命の正しい解釈について説明する。
- 絶縁材料の概要
- 絶縁材料とは?
- 物質の分類
- 電気絶縁材料の分類
- 固体材料の種類
- 高分子材料の種類
- ナノ電気電子材料の基礎
- 数密度
- 物質の構造と電子状態
- 化学結合
- 速度反応論
- 高分子絶縁材料の劣化メカニズム
- 劣化因子と劣化モード
- 熱劣化と劣化モード
- 放電による劣化
- 表面汚損による劣化
- 化学反応劣化と光による劣化
- 気体の放電
- 放電現象を支配する種々の要因
- 分子の熱運動
- 荷電粒子の運動
- 気体における荷電粒子の発生と消滅
- 火花放電
- 定常気体放電
- 部分放電
- 固体の放電
- 固体の放電
- 分極と分極電荷
- 電圧波形と電圧分担
- 絶縁破壊を引き起こす要因
- 誘電体の絶縁破壊メカニズム
- 絶縁材料の劣化と防止策
- 高電圧試験と部分放電計測
- 高電圧試験の種類
- 絶縁特性試験
- 雷インパルス試験
- 長時間交流試験の有効性
- 部分放電計測
第2部 絶縁の基礎と劣化対策への応用
(2020年7月30日 14:00〜16:30)
絶縁材料に加わる電圧が高くなると低い電圧では起きない部分放電など高電圧特有の現象が起き、絶縁特性が劣化、ついには破壊に至ることがあります。
本講座では絶縁材料として広く用いられています高分子材料の誘電・絶縁特性の基礎について説明するとともに、高分子絶縁材料の絶縁破壊がどの様な過程を経て生じるかについて説明しつつ、絶縁破壊のメカニズムについて説明するとともに、電力、高電圧機器、EV/HEVなどで用いられている高分子について概説します。
基礎的な物理現象から話を始めて、高電圧印加の際にほとんどの寿命を決める要素である部分放電、トリーがどの様な影響を及ぼすか、それらの評価方法などを理解するとともに、絶縁特性の劣化を経て破壊にいたる場合にどの様な要因が影響を及ぼすか、複合体において劣化に伴う破壊に及ぼすフィラーの効果について説明しつつ、それらにフィラーがどの様に絶縁破壊にいたる過程に影響を及ぼすかを理解できる様説明します。
- 基本的な物理現象についての理解の大切さ
- 気体の絶縁破壊理論は固体を考える時にも大切
- 液体・固体中への電荷の供給
- 絶縁での弱点
- 高分子材料の誘電特性
- 誘電率及び誘電損率の周波数特性
- 電子分極と原子分極
- 配向分極
- 緩和時間の分布
- 高分子の分子構造と誘電特性
- 複合体の誘電特性
- 高分子絶縁材料の電気伝導特性
- イオン伝導
- 電子性伝導
- 高分子絶縁材料の短時間破壊のメカニズム
- 高分子の絶縁破壊
- 電子的破壊
- 熱破壊
- 機械的破壊
- 高い電圧を用いるところでの高分子材料
- 電力ケーブル
- 電力機器
- EV/HEV
- EV/HEVでの電圧波形
- 耐インバーターサージ性エナメル線
- 高PDIV化のための低誘電率エナメル電線
- 高分子絶縁材料の長時間破壊とフィラーの効果
- 高分子材料の劣化現象
- 部分放電とトリー
- 部分放電特性の評価
- V – t特性
- フィラーの効果
- フィラー/高分子界面の影響
- フィラーによるトリー劣化抑制
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、
1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
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アカデミック割引
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