最先端技術であるディープラーニングが話題になり、人工知能ブームが再来していると言われています。最先端の技術は重要ではありますが、製造業の技術者が開発実務に活用するには敷居が高いことが課題ではないでしょうか?このように人工知能には、活用が難しいイメージがありますが、ものづくり分野に絞れば、適切な手法の使い分けとノウハウで意外と簡単に活用可能です。ディープラーニングを含む人工知能にも、アカデミックな最先端技術に対して成熟した「エンジニアリングに適した技術」があり、その技術はものづくりの開発現場で安心して使うことが可能です。
本講座では、エンジニアリングに適した人工知能技術であるニューラルネットワークモデルとMTシステムに関して、基礎的な解説を行った上で、製造業における具体的な事例を用いて応用ノウハウを解説します。
ものづくり技術者にとって、人工知能は目的ではなく、技術課題を解決する手段として使えることが理想的です。
本講座で解説するエンジニアリングに適した人工知能技術を使うことで、技術者は、解決すべき技術課題に集中することが可能になります。なお、ニューラルネットワークモデルをExcel上で簡単に構築する方法も、デモンストレーションを併用して解説いたします。
- 人工知能活用による事例概要
- エンジニアから見た人工知能技術 概要
- 製造業に特化した人工知能活用 (本講義) の全体像
- 設計、材料、生産条件を統合した現実さながらの予測式構築と自動開発技術 (開発実験環境の仮想化技術、レシピジェネレーター技術) 概要
- 加工状況データから加工品質を推定する検査機レス検査技術 (仮想検査技術、センサレスセンシング技術) 概要
- 未学習の未知異常検知技術 (異常モニタリング、予防保全技術) 概要
- 人工知能技術の概要
- 要素技術者から見た開発ツールとしての人工知能技術の比較
- 参考:データ採取のポイント (ビッグデータの誤解)
- 補足:ニューラルネットワークモデルはブラックボックス?
- 要素技術者に適した人工知能構築ツールの比較
- ニューラルネットワークモデル構築の実演
- 簡単な関係性を人工知能に学習させ、その後推定させる
- 複雑な関係性を人工知能に学習させ、その後推定させる
- 品質工学、実験計画法の直交表を応用した学習データ
- 推定に問題ある場合の対処法1
- 推定に問題ある場合の対処法2
- 難しい排他的論理和問題を人工知能に解かせる
- 事例1 ニューラルネットワークモデル活用
- 設計、材料、生産条件を統合した現実さながらの予測式構築と自動開発技術 (開発実験環境の仮想化、レシピジェネレーター技術)
- 毎年繰返し行っていた電磁石コイルの開発を、設計条件と生産条件を合わせてパソコン上で自動開発を可能にした事例を解説
- 背景:電磁石コイルの繰返し開発の紹介
- 製品設計部門と工法開発部門、量産部門の役割分担
- 汎用巻線技術の開発 – 設計条件と設備条件の密接な関係
- 個別最適解を求める「設計条件×設備条件=性能の平均値とバラつき」方程式の探求
- 人工知能活用の実施手順
- データ収集の実験計画とその勘所
- データの説明性確保の課題と解決策
- データ数不足の解決策 要素技術を活かしたデータ増殖
- 試作レス開発環境の構築例
- 人工知能の推定が間違った場合の対処方法
- 本事例を応用可能な別事例の紹介
- 事例2 ニューラルネットワークモデル活用
- 加工状況データから加工品質を推定する検査機レス検査技術 (仮想検査技術、センサレスセンシング技術)
- 溶接の抜取り破壊検査工程を、溶接と同時に溶接強度を推定し、全数検査と量産品質トレンドや設備状態のモニタリングを可能にした事例を解説
- 背景:溶接と抜取り破壊検査の紹介
- 全数検査化に先立つ要素技術
- 人工知能活用の実施手順
- データ収集、及び人工知能による強度推定のシステム構築例
- システムの動作フローチャート
- 本事例を応用可能な別事例の紹介
- 事例3 MTシステム活用 未学習の未知異常検知技術 (異常モニタリング、予防保全技術)
- 事前に学習できない未知の異常・不良を検出したい場合の対処方法を、エンジンの異常音など、聴感による人的官能検査工程を自動化した事例を元に解説
- 背景:異常音で判断する官能検査工程の紹介
- 定義できる不良音と定義できない不良音。未知の不良を見つける必要性
- MTシステム (MT法) とは
- 人工知能活用の実施手順
- データ収集、及び人工知能による異常音推定システム構築例
- システムの動作フローチャート
- 質疑応答
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