2014年5月に日本のPIC/S加盟は承認さ、PIC/Sが要求する製剤原料に対する受入時の確認試験の検討および運用が着実に進みつつある。さらに、2019年に第十七改正日本薬局方第二追補一般試験法へラマン分光法が新たに収載され、実用性に対する期待がさらに高まっている。
そこで、本講演ではラマン分光法の特徴の1つである非接触・非破壊分析を使った分析例の紹介や原薬の結晶多形の識別などのラマン分光法の代表的な応用例をラマン分光法の原理などと合わせて詳しく解説する。またラマン分光法を用いた晶析反応、マッピング測定、含量均一性評価などの分析例も紹介する。最後にラマン分光法を用いたPIC/S準拠の分析法確 立や同バリデーションのポイントを実試料を用いた例を使って解説する。
- ラマン分光法の概説
- 特徴・原理
- その他分光法と比較
- 応用例
- 近赤外レーザーを用いたラマン分光法
- 特徴
- 応用例
- 蛍光発光影響の軽減
- 無機物測定例
- 遮光入り液体試料測定例
- 医療用漢方製剤測定例
- 低波数ラマン分光法 (テラヘルツ分光法)
- 特徴
- 応用例
- カルバマゼピン (CBZ) 結晶多形識別
- 錠剤中の共結晶の分散状態の評価
- PIC/Sに対応する分析法設定および分析法バリデーション
- 分析法設定についての留意点
- ICH Q2が求める特異性評価の解説
- 各種原料を用いた分析法設定実例紹介
- 分析法バリデーション (室内再現精度など)
- 代替え検討・評価方法について
- 赤外分光法からラマン分光法への移行
- ラマン分光法を用いた原薬・製剤の分析実例紹介
- 錠剤表面のマッピング
- 非接触による錠剤の含量均一性評価
- 配合錠中の有効成分の含量医均一性評価
- 低波数ラマン分光法を用いた共結晶の分散状態の評価
- インドメタシンの結晶転移の評価
- 質疑応答:
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