エクソソームの基礎および診断薬への応用とその評価

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本セミナーでは、次世代の薬物送達ツールとして大きく期待されているエクソソームをとりあげ、エクソソームの精製法、品質評価、エクソソームバイオマーカー開発、薬物送達技術など解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 エクソソームを用いた疾患診断技術と製品化への応用

(2020年7月15日 12:30〜14:30)

 細胞外分泌小胞の一種であるエクソソームには、それを産生する細胞の様々な分子情報 (核酸、タンパク質、代謝物など) が含まれている。これらはがんをはじめとした新しいリキッドバイオプシー、ドラッグデリバリー技術を実現するテクノロジーとして盛んに研究が行われ、エクソソーム核酸診断ツールとしてすでに上市されたものもある。しかしエクソソーム研究の実際はというと、単離精製法も多種乱立しており、分子生物学的定義も定まっていない萌芽期であると言える。  本セミナーでは解析試料や対象分子によってどのように精製法を選択するべきか、精製度や品質を評価する方法と共に実例を踏まえて概説する。また、がん組織を培養してエクソソームを単離する技術や、尿中、脳脊髄液中エクソソームのプロテオームプロファイリングによるバイオマーカー開発など、実際の研究開発例に基づいて相対定量比較の手法や体外診断薬化へのステップといったポイントを議論したい。

  1. エクソソームの基礎
    1. エクソソームの生合成経路
    2. エクソソームの分子生物学的特徴
    3. 生体内におけるエクソソームの機能
  2. エクソソームの診断応用
    1. アカデミアにおける研究開発事例
    2. 企業による開発状況、上市の例
  3. エクソソームの精製
    1. 細胞培養上清、臨床検体からのエクソソーム精製法
    2. 精製標品の品質評価
  4. がんエクソソームバイオマーカー開発の実例
    1. 切除組織培養分泌エクソソームを用いた腎がんバイオマーカー開発
    2. 大腸がんエクソソーム中変異タンパク質パネル診断
    3. 脳神経変性疾患におけるエクソソームリキッドバイオプシー開発
  5. まとめと今後の展望

第2部 診断・治療応用へ向けたエクソソームを用いたDDS技術とその評価

(2020年7月15日 14:40〜16:40)

 エクソソーム (exosomes, extracellular vesicles, EV) は、細胞膜で構成された小胞であり、生体の殆ど全ての細胞が分泌します。その内部にはmicroRNAや酵素等の生理活性分子が内包されており、分泌されたエクソソームは、周辺の細胞に取り込まれることで細胞間における情報伝達を担っています。またエクソソームは、薬学的な観点からも (i) 免疫制御が可能、 (ii) 機能性人工分子の内包・提示が可能、 (iii) 細胞間コミュニケーション経路の利用、 (iv) 遺伝子工学の活用、 (v) 血液脳関門の通過等の高い優位性を有し、次世代の薬物送達ツールとして大きく期待されています。  本セミナーでは、エクソソームを用いた薬物送達 (DDS) 技術を主題とし、エクソソームを基盤としたDDSの世界的な動向から、細胞内移行機序、遺伝子工学・ペプチド化学を基盤としたエクソソーム薬物送達技術を中心に解説致します。

  1. はじめに
  2. エクソソームを基盤としたDDSの世界的な動向
  3. 細胞内移行機序
    1. エンドサイトーシスの基礎
    2. エクソソームの細胞内移行機序
  4. エクソソームを基盤とした薬物送達技術
    1. エクソソームへの薬物内包
    2. 遺伝子工学を用いたエクソソーム膜へのタンパク質発現
    3. 機能性ペプチド修飾型エクソソームの調製
    4. 受容体標的と薬物送達
  5. 将来展望

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