本セミナーでは、5G、6Gに求められる高分子材料とその実現方法について解説いたします。
(2020年7月7日 10:00〜12:15)
情報通信分野の技術革新は急速に進んでいる。20世紀末から21世紀初めにADSLからFTTHへの転換が進み、固定系通信事業の戦いはほぼ終了、今情報通信事業の主戦場は移動体通信へ移ってきた。昨年確定された5Gの仕様では、6GHzを超えた高周波数帯域を使う、新しい無線通信方式が導入されるという。この新しい無線通信方式が導入されると情報通信分野のみならず、移動体通信、とりわけ自動車業界の技術にも影響が出る。 ところで高周波数領域に対応した材料のイノベーションが過去に起きていた。それは20世紀末に急成長したCPUの高周波数動作を実現する絶縁膜、Low-k材料の開発である。その時のキーワードは材料の低誘電率制御だった。一方、20世紀末に拡大した光通信網では、材料の屈折率制御が課題となり、高分子材料では高屈折率化が求められた。ところで屈折率は誘電率と相関するパラメーターであり、高誘電率化技術が当時Low-k材料開発と平行して開発されていたことになる。 今、5Gでは高周波数対応のため高分子材料の低誘電率化が求められている。すなわち、情報通信分野で高分子材料を活用するためには、その誘電率を自在に制御する技術が重要である。本セミナーでは5Gをにらみ、情報通信と高分子材料について誘電率制御技術を整理して基礎から講演すると同時に最近特許出願もされている負の誘電率を示すメタマテリアルについても触れる。
(2020年7月7日 13:00〜15:00)
通信規格5Gの適用が始まり、5年から10年先を見据えた5G高度化と6Gに向けての技術開発が始まっている。50GHzから100GHz更には300GHzの高周波数帯域での実施が計画されている。大容量の信号伝送を超遅延で実現するために、プリント配線板を含むエレクトロニクス実装技術には、超高密度化が可能でかつ高周波特性に優れた材料が要求される。本講演では、これらを実現する低誘電特性樹脂及び積層材料について解説する。
(2020年7月7日 15:15〜16:45)
エポキシ樹脂は、その高い絶縁性と接着性、ハンドリングの良さから長く基板材料として使われてきたが、近年の5G技術に代表される低誘電化の要求レベルは非常に高く、既存のエポキシ樹脂、従来型の開発アプローチでは到達し得ない領域になっている。当社では、エポキシ樹脂としての利点を失わず、如何に低誘電化を実現するかに挑戦しており、今回はその一連の検討の中から、いくつかの新しいエポキシ樹脂について紹介したい。
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