医薬品・医療機器・健康食品では認可及び届出に際して、臨床試験を求められることがよくあります。臨床試験は大掛かりのプロジェクトであり、多額の研究予算を必要とします。多くの被験者の募集も必要です。失敗は許されません。これまで医薬品の審査や機能性表示食品の調査などを通じて、臨床試験の実施・計画・解析・報告の過程で散見する問題点を多くみてきました。
本セミナーでは、だれでも理解できるよう、統計の必要性や意義を中心に、その考え方の基本をお話ししたいと思います。数式はほぼ用いません。講義だけでなく、10分程度のミニワークショップ (PICOS考案) もします。事前に聞きたいことを整理してきてください。質問は講義の後ではなく、講義中に質問をして、全員で共有できるように願います。
第一部では、臨床研究にまつわる現状について情報提供します。第二部では臨床試験の計画を立てるときのキーワードについて、主に考え方について理解してもらいます。チェックリストであるCONSORT声明も紹介します。第三部では臨床試験で集められたデータ解析について、主に考え方を学びます。データの統計報告法に関するSAMPLガイドラインも紹介します。
- 臨床研究にまつわる現状
- 観察研究と実験研究
- リアルワールドエビデンスとは
- プレシジョン (精密) 医療とオーダーメード (個別) 医療の違い
- 事前登録の義務化
- データ共有の方向性
- 臨床試験の計画
- PICOを考えよう
- 臨床試験の種類
- 単群試験
- 既存対照試験
- 同時対照試験
- ランダム化比較試験 (RCT)
- 対象の抽出
- 選択基準
- 除外基準
- 機能性表示食品における対象基準
- 被験群と対照群
- 比較の意義
- プラセボの有用性と識別不能性
- PROBE法とは
- 無作為割付
- 起源は
- 意義
- 方法 (層別化とブロック化)
- 動的割付の注意点
- 仮説の種類
- 評価項目と観察測定項目
- 臨床エンドポイント・代替エンドポイント・バイオマーカー
- 有効性の主要評価項目は原則1つとは
- 主観的な評価項目のときの注意
- 景品表示・適応 (効能効果) とエンドポイントの妥当性
- 例数設計
- 例数設計の考え方
- パワー (検出力)
- イベントドリブンの例数設計とは
- クロスオーバーデザイン
- アダプティブデザイン
- 実践的な考え方
- 中間解析
- 実例 (BAN2401治験)
- ベイズ流と頻度論の違い
- CONSORT声明
- 臨床試験のデータ解析
- 記述統計と推測統計
- SDとSEの違い
- 記述 (Describe) はSD
- 推定 (Estimate) はSE
- 標準偏差の計算で (n – 1) で割る理由とは
- 数値の精度
- 平均値の精度は元単位より1つ細かいが限度
- 臨床的意味をよく考えて
- 患者背景の表の報告
- 平均±標準偏差は避けよう
- 平均値を示すか中央値を示すかの判断
- 図と表の使い分け
- 有意水準
- なぜ5%なのか
- デュアルエンドポイントでは2.5%有意水準?
- 両側と片側
- P値の書き方
- 信頼区間
- なぜ95%なのか
- その解釈
- なぜP値より信頼区間なのか
- Studentのt検定
- どうしてStudentなのか
- 独立性の仮定
- 正規性の仮定と検証方法
- 等分散性の仮定と検証方法
- ノンパラメトリック検定
- パラメトリック検定との違い
- 代表的な手法 (順位・符号)
- ごく少数例ではノンパラメトリック検定は無用
- 群内変化の検定の問題点
- プラセボ効果 (情報バイアス)
- 有意に低下は誤解を招く (報告バイアス)
- 共分散分析
- 分散分析と共分散分析の違い
- 変化量の解析との違い
- 共分散分析で最も大切な仮定とは
- ITT解析
- ITTの起源
- ITTの考え方
- ITTの意義
- modified ITTとは
- FAS, PPSとの違いとは
- 多重検定
- 効果の指標
- 割合と率と比の違い
- 静的指標であるリスク比とオッズ比
- 動的指標の率比とハザード比
- 予後因子と予測因子
- 欠測値の処理
- 完全除外
- 単純補完と多重補完
- 多変量解析法 (MMRMなど)
- SAMPL (統計報告に関する) ガイドライン
- 統計ソフトの選び方
- 頼りになる統計家の選び方
案内割引・複数名同時申込割引について
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- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
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- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
アカデミック割引
- 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の学生に限ります。
教職員や研究員、企業に在籍されている学生には適用されません。
また、当日学生証をご持参ください。