第1部 自動車の振動騒音発生メカニズムと車内音への影響
(2020年6月18日 10:00〜11:40)
自動車のEV/HEV化によりエンジン騒音が少なくなり、ユーザーの車内静粛性に対する要望は高まっている。特に、ガソリンエンジン車に比べ、タイヤからのロードノイズ (振動伝達音) ・パターンノイズ (空気伝搬音) や高速走行時の風切り音等の高周波車内騒音は目立ってしまい、低減が必要不可欠である。これらの振動騒音の発生メカニズムや車内音への影響について説明する。
- 自動車の振動騒音現象について
- 自動車の主な振動騒音源
- 自動車の主な振動現象
- 自動車の主な騒音現象
- SEAを用いた車内音予測手法と各部分からの影響
- SEA (統計的エネルギー手法) とは
- 要因分析結果・寄与度解析結果と風切り音の影響
- 自動車防遮音材の軽量化検討結果
- 有限要素法を用いた制振材や防音材の解析
- ロードノイズについて
- 制振材の効果
- 制振材の最適配置手法 (自動車の軽量化)
- 車室空間の吸音材の最適配置検討
第2部 騒音・振動技術・材料とその適用法
(2020年6月18日 11:50〜12:50)
騒音・振動課題もいろいろな分野で取り上げられ、計画、設計段階から”低騒音”や”低振動”が取り組まれるようになってきている。 そのためには、騒音や振動の低減技術を総合的に理解し、防音、防振材料をいかに上手に適用するかが大切である。
ここでは、騒音低減の立場から、 固体伝搬音と空気伝搬音に分け、その低減技術の基本としての振動絶縁、制振、遮音、吸音のメカニズムとそれらを達成するための材料の役割と機能を 実践的な視点から概説させていただく。同時にその効果的な適用法について、実際の材料を見ていただき、事例と簡単なデモを行いながら理解を 深めていただきたいと考えている。また、その中で、最近ニーズも高まっている防音・防振材料について私なりのご提案をさせていただく。
- 騒音の低減についての基本的な考え方
- 固体伝搬音と空気伝搬音と低減方法
- 総合的な視点からの取り組みの大切さ
- 固体伝搬音への対応
- 振動絶縁
- 振動絶縁のメカニズム
- 振動絶縁材料 (防振材料) とその適用法
- 制振
- 制振のメカニズム
- 制振材料とその適用法
- 空気伝搬音への対応
- 遮音
- 遮音のメカニズム
- 遮音材料とその適用法
- 吸音
- 吸音のメカニズム
- 吸音材料とその適用
- 騒音・振動課題の今後に対する私の提案
第3部 自動車用防音材料の開発と軽量化への対応
(2020年6月18日 13:30〜14:30)
自動車防音材の歴史、効果の説明から現在要望が多い軽量化の方法について、例を挙げ説明します。
- 自動車に使用される防音材について
- 自動車に使用される防音材料重量とその変遷
- 自動車用防音材の防音低減効果について
- 自動車用防音材の軽量化技術
- 施工仕様 (面積) の最適化による軽量化
- シミュレーション技術を使用した防音材重量の軽量化の例
- 防音材の改良による軽量化
- 遮音材/吸音材/制振材の各々の軽量化工法について
第4部 不織布を用いた自動車用騒音対策部品の開発事例
(2020年6月18日 14:45〜15:45)
- SAF (Sekiso Acoustic Fiber)
- SAF (ポリプロピレンのみで構成された平均繊維径約2~3μmの極細繊維吸音材) の特徴
- 音響的特長
- 自動車内装部品、吸気部品などの採用事例
- SAB (Sekiso Acoustic Board)
- SAB (ガラス繊維とオレフィン系繊維を混紡した自動車床下吸音材) の特徴
- 音響的特長と耐チッピング性や耐着氷性などの信頼性
- 車外騒音規制 (Phase2) をターゲットに進めた開発事例
- SAP (Sekiso Acoustic Porous)
- SAP (PET繊維を主繊維、PP繊維をバインダーとした不織布) の特徴
- 音響的特徴と信頼性
- 自動車の吸気ダクト (ポーラスダクト) 、空調ダクト (テキスタイルダクト) などの採用事例
- 吸音性能の予測技術紹介
- 一般的なLimp frame porousモデル
- 実測した特性インピーダンスと複素伝搬定数から求めた複素音速と複素密度を用いるモデル
- 吸音構造体の吸音メカニズムの解析事例
第5部 自動車の防音性能設計と吸音・遮音の開発ニーズ
(2020年6月18日 16:00〜17:00)
自動車開発において防音性能は商品性を決める重要な要素となります。昨今、自動車業界では電動化に大きくシフトし、静粛性のニーズは高まる一方です。そこで自動車開発における防音性能設計の現状と課題を紹介し、将来への吸音性能、遮音性能へのニーズについて考察していきます。
静粛性向上のためには多くの防音材が必要となってきます。これは昨今の環境対応ニーズが高まる中、軽量化とは相反する方向となります。 そこで軽量化が与える静粛性への影響と、軽量化と静粛性を両立するために必要な観点を解説し、自動車メーカーがどのように防音パッケージを決定していくのかを説明していきます。
後半では従来の防音材の考え方から発展し、今後もとめられる新たなニーズをどのように答えていくべきか参加者のみなさんと考えていけるよう問いかけていきます。
- 背景とニーズの変化
- 環境対応や法規の厳格化、商品性ニーズ、CASE時代の新たな価値
- 材料置換による軽量化とNV性能の影響
- 自動車騒音の全体像
- 騒音現象とひとの聴覚特性との対応、環境騒音の位置づけ
- エンジン車両と電動車両の振動騒音の変化
- 騒音対策のアプローチ
- 防音パッケージの性能設計
- 防音材の基本性能の理解
- 防音材の性能を決定づける因子
- 防音材の重量と完成車重量との関係性
- 性能設計のアプローチ
- 吸音・遮音ニーズ
- 材料特性を超えるニーズ
- 組み合わせの最適化
- まとめ
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、
1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
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アカデミック割引
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