構造物の動的な設計や振動対策を適切に行うには、振動の「本質」を十分に理解しておく必要があります。振動挙動をどのように捉え、そして、そこで起こっている動的現象の「本質」は何かを考えられるようになることが重要です。
本講座では、振動の基本となる一自由度振動系の自由振動、固有振動数、強制振動の説明から始めます。続いて、振動現象を大きく支配する外力 (加振力) について説明します。計測された変位や加速度から外力を推定することが、振動の発生メカニズムを理解する上で必要です。実際の機器を例に挙げながら、外力と振動応答との関係を説明します。また、振動系を構成する質量、ばね、減衰が振動応答にどのように影響するかを理解しておくことも、振動対策の具体化に必要です。共振問題については、エネルギー的な観点から解説します。これにより、共振現象の物理的 (本質的) な理解につなげてもらいます。さらに、構造物の低振動化のために必要な「高減衰設計」の基本的な考え方、「高剛性設計」の基本となる「力の流れ」について解説します。最後に、振動対策事例について2~3例紹介します。
- はじめに
- 振動の基礎「一自由度振動系」を理解する
- 自由振動 と固有振動数
- 強制振動時の振動波形と共振曲線
- 力/変位による強制振動と評価量
- 振動を支配する「外力」を理解する
- 応答から外力を「推定」して振動発生メカニズムのストーリーを作る
- 外力の種類と応答
- 各種機械要素
- 「ばね支配・減衰器支配・質量支配」を理解する
- 「共振」の本質を理解する
- エネルギー的な観点から見直してみる
- 外力がなす仕事とダンパによって消散されるエネルギー
- 共振は外力がもっとも効率良く仕事をなした結果起こる現象
- 「高減衰設計」を理解する
- 振動エネルギーをダンパに「流す」
- 固有振動モードから有効な制振方法を考える
- 板の曲げ振動を抑える制振材貼り付けの考え方
- 「高剛性設計」を理解する
- 構造設計の基本となる「力の流れ」とは何か
- 「力の流れ」を読む・適用する
- リブ構造の例
- 対策事例
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