樹脂やフィルムにおける透明性と耐熱性の両立と応用

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プログラム

第1部 ハイブリッド技術による樹脂の高機能化 – シリカ複合化による透明性と耐熱性の両立

(2020年6月9日 10:00〜11:20)

 ポリマーへのシリカ複合 (ハイブリッド) 化は材料の諸特性を向上させるために極めて優れた方法で、コーティング剤などの高機能材料として実用化されている。ここでは、透明性や耐熱性を向上させたポリマー – シリカハイブリッド材料の設計、合成法、特性について解説する。

  1. 透明樹脂の概要
    1. 透明樹脂の分子設計
    2. 透明樹脂の概要
      1. アクリル樹脂 (PMMA)
      2. ポリカードネート (PC)
      3. 環状ポリオレフィン樹脂
        • COP
        • COC
      4. 無色透明ポリイミド (PI)
  2. シリカの複合 (ハイブリッド) 化による樹脂の高機能化
    1. シリカフィラーの種類と特性
    2. 界面・分散性の制御 – なぜ界面の制御が必要か?
    3. 表面修飾・改質技術
    4. シリカの分散制御
    5. シランカップリング剤の活用
  3. ポリマー – シリカ複合材料の合成と特性制御
    1. ポリマー – シリカ複合材料の合成法
      1. ゾル – ゲル法
      2. In situ重合法
      3. 微粒子分散法 (コアシェル構造型ハイブリッド)
    2. シリカ複合化透明材料の合成例
      1. PMMA
      2. PC
      3. エポキシ樹脂
      4. PI
    3. 複合化の効果 – シリカとの複合化でどんな効果が得られるか?
    4. 高耐熱化
      1. 耐熱性とは
      2. 高耐熱化の分子設計
      3. 高耐熱化手法
    5. 高透明化
      1. 透明性とは
      2. 高透明化の分子設計
      3. 高透明化手法

第2部 ポリイミドの透明性と耐熱性[ガラス転移温度 (Tg) 、熱線膨張係数 (CTE) ]を両立する構造設計の考え方

(2020年6月9日 11:30〜12:50)

 新しいデバイスのキーマテリアルとして耐熱性の透明ポリイミドが注目されている。 ポリイミドの透明性設計でトレードオフと考えられていると耐熱性 (ガラス転移温度 、低線膨張係数) を両立する考え方を解説する。

  1. ポリイミドの透明設計
    1. ポリイミドの着色要因と透明性発現の考え方
      1. ポリイミド固有の着色要因の電荷移動錯体
      2. 透明性発現に有利なモノマー構造
    2. 透明性を発現したポリイミドの具体的な製品、開発事例
      1. 全芳香族
      2. 脂環族系
        • 半芳香族
        • 全脂環族
  2. 高分子の耐熱設計
    1. ガラス転移温度とポリイミド構造の関係
    2. 熱線膨張係数とポリイミド構造の関係
  3. 現状の到達点と課題、まとめ
    1. 透明性 vs. 耐熱性
    2. その他の重要な特性:靭性 (耐折性)

第3部 ~光学特性、耐熱性、耐候性を中心とした~ 樹脂添加剤の各種特性とその使用法

(2020年6月9日 13:40〜14:50)

 樹脂は軽量でその成形しやすさから様々な用途に用いられ、金属などの他素材の代替もすすみ、その生産量は増え続けている。これら樹脂製品の用途や目的に応じ て必要な特性を付与する手段となる添加剤について、特に本セミナーの趣旨であるところの光学特性、耐熱性、耐候性にフォーカスし、その種類や特徴について紹介する。

  1. 添加剤とは
    • 樹脂製品の抱える問題
    • 添加剤の種類
  2. 結晶核剤 ~物性&透明性付与~
    • 剛性核剤
    • 透明化剤
  3. 酸化防止剤 ~加工中&使用中の劣化防止~
    • フェノール系酸化防止剤
    • リン系酸化防止剤 (ホスファイト)
    • 硫黄系酸化防止剤
  4. 光安定剤 ~耐候性付与~
    • HALS
    • UVA (紫外線吸収剤)
  5. その他添加剤の紹介
    • 銅害防止剤
    • 難燃剤 等
  6. 各種添加剤の併用
    • 添加剤の選び方

第4部 透明・耐熱樹脂改質剤 ~グリコールウリル、イソシアヌル酸誘導体について~

(2020年6月9日 15:00〜16:10)

 近年、スマートフォン等のディスプレイ分野を中心に、部品・材料の耐熱性・透明性へのニーズが高まっている。これらニーズに対応する材料として、耐熱性・透明性を有するイソシアヌル酸およびグリコールウリル骨格を有する樹脂改質剤について紹介する。

  1. イソシアヌル酸、グリコールウリル骨格について
    1. イソシアヌル酸骨格の特徴
    2. グリコールウリル骨格の特徴
    3. 官能基の導入
  2. 樹脂架橋剤としての使用
    1. 透明耐熱性樹脂
    2. 透明樹脂の高耐熱化
    3. 樹脂への異種官能基の導入
  3. エポキシ樹脂改質剤
    1. 液状高耐熱エポキシ樹脂改質剤
    2. 低温硬化、高耐熱エポキシ硬化剤
    3. カチオン硬化エポキシ樹脂改質剤
  4. その他樹脂改質剤
    1. シリコーン樹脂への適用
    2. アクリル樹脂への適用
    3. PPE樹脂への適用

第5部 屈折率測定の原理と実際

(2020年6月9日 16:20〜17:30)

 材料の屈折率測定は古くから数多く行われてきたが、必要な精度で必要なデータを効率良く得るのは案外と難しい。利用できる試料のサイズと形状、要求される屈折率の精度、屈折率を知る必要のある波長域や光学的異方性の有無など、様々な要素を考慮して適切な測定法を選択する必要がある。  本セミナーでは、透過率と屈折率の関係など基礎的な話から出発し、屈折率測定の原理と固体試料に適用可能な代表的な屈折率測定法について講義する。

  1. はじめに
    • 屈折率とはなにか
    • 実用材料の屈折率
    • 光学的異方性
    • 屈折率の波長分散と透過スペクトルの関係
  2. 屈折率測定の原理
  3. 屈折率測定の実際
    • 臨界角法
    • 最小偏角法
    • 液浸法
    • 干渉法
    • クラマース・クリーニヒ解析
    • 楕円偏光解析法 (エリプソメトリ)
    • プリズムカップリング法

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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