高分子微粒子の設計、重合、その応用と評価

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本セミナーでは、懸濁・乳化重合における、反応機構、特徴と高分子微粒子の調整、最新の粒子化事例について解説いたします。

日時

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プログラム

第1部 ポリマー微粒子の重合・合成技術の基礎知識

~乳化重合法、懸濁重合法、およびそれらの応用法~

(2020年5月22日 10:00〜11:30)

 高分子材料には無数といえる種類が存在する。よってその中から、目的に応じた性質を持つ材料を取捨選択するのは大変困難な作業に見える。しかし、高分子の構造とその性質とには基本的関係があり、それを理解してしまえば、その性質は容易に想定できる。  本講ではまずその基本を解説し、さらに、高分子材料の汎用的製法としてしられる乳化重合法と懸濁重合を解説する。さらに、これらには多くの応用法が存在するので、その詳細を解説する。これらの重合法は、生成物が微粒子として得られるという特徴があるので、種々の機能をもつ微粒子の開発法ともつながる。

  1. 重合について
    1. 基本的な重合法とその特徴
    2. 高分子構造とその特性との関係の理解
    3. 乳化重合法と懸濁重合法と原理と特徴
  2. 乳化重合とその応用法
    1. 乳化重合における粒子径について
    2. ソープフリー乳化重合
    3. 分散重合
    4. シード重合
    5. 膨潤法
    6. 凝集法
  3. 懸濁重合とその応用法
    1. 粒子径制御の基礎
    2. 撹拌法による粒子径制御
    3. 安定剤による粒子径制御
  4. 液滴調製法
    1. 一段分散法
    2. オリフィス法
    3. マイクロチャネル法
    4. マイクロフロー法
  5. 粒子の応用
    1. 構造化粒子
      • 粒子の内部構造、表面構造
    2. 粒子の配列

第2部 ポリマー微粒子の作製とその応用

(2020年5月22日 11:40〜12:50)

 ソープフリー乳化重合のメカニズムを分子レベルで理解し、ナノ粒子、中空粒子の設計に必要 な技能を身につける。ナノ粒子の複合材料への応用についても紹介する。

  1. ソープフリー乳化重合
    1. 核生成過程
    2. 粒子成長過程
    3. ナノ粒子を合成するには
  2. 中空ナノ粒子の合成
    1. 高分子中空粒子
    2. カーボン中空粒子
    3. シリカ中空粒子
  3. 微粒子の複合材料への応用
    1. 炭素繊維強化プラスチック (CFRP)
    2. CFRPのリサイクル
    3. 樹脂複合材料

第3部 ポリマー微粒子の表面設計と生命科学分野への応用

(2020年5月22日 13:40〜14:50)

 ポリマー微粒子を分散状態で利用するためには、その表面を適切に設計する 必要がある。本講座では、粒子表面の制御方法、温度に応答して表面特性が 変化する粒子の作製方法、微粒子の特性を活かした応用例について解説する。

  1. ポリマー微粒子の表面設計・構造制御
    1. 微粒子生成重合による制御
    2. シード重合による制御
    3. 表面改質反応による制御
  2. 表面特性が温度に応答して変化する粒子の作製
    1. 沈殿重合による感温性粒子の作製
    2. 感温性粒子の粒子径制御
  3. 広大な表面積を有する微粒子の特性を利用した応用例
    1. 食品添加物などを分子分散させる吸着場
    2. タンパク質を再生させる反応場
    3. その他

第4部 高分子ミセルの医療分野への応用

(2020年5月22日 15:00〜16:10)

 ポリ乳酸系両親媒性ポリマーミセル「ラクトソーム」の事例を中心に高分子ミセルの医療応用について紹介する。

  1. ナノ粒子の医療への応用
    1. 分子イメージングによる診断
    2. 薬剤搬送システム (DDS) による治療
    3. 診断と治療の融合 (Theranostics)
  2. ポリ乳酸系両親媒性ポリマーミセル「ラクトソーム」
    1. 構造
    2. 粒子作製
    3. 粒径制御とゲル化
  3. 「ラクトソーム」とがん
    1. 体内動態
    2. イメージング
    3. 治療
  4. 「ラクトソーム」の皮膚外用剤への応用
    1. 刺激性低減
    2. 薬物輸送

第5部 高分子微粒子に関わる評価・分析と研究開発における応用事例

(2020年5月22日 16:20〜17:30)

 高分子微粒子に関わる代表的な評価・分析手法を解説するとともに、演者の取り組んできた高分子系微粒子の研究開発について紹介し、その中で評価・分析手法をどのように活用してきたか、について講演する。

  1. 高分子微粒子に関わる評価・分析
    1. 微粒子特有の評価方法
      • 粒度分布測定
      • 比表面積
      • 細孔分布測定
      • ゼータ電位測定
    2. 形態等の評価
      • 走査型電子顕微鏡
      • 透過型電子顕微鏡
      • 走査型プローブ顕微鏡
    3. 微粒子の機器分析
      • X線光電子分光 (XPS)
      • 熱分析
        • TGDTA
        • DSC
      • 核磁気共鳴
      • 分子量分布測定など
    4. 微粒子または微粒子を用いた機能性材料の特性評価
      • 接触角測定
      • 濁度 (ヘイズ) など
  2. 高分子系複合微粒子の開発・研究における評価・分析事例
    1. マクロアゾ重合開始剤を用いて合成したコアシェル型高分子微粒子
    2. コア.シェル型凹凸ゲル微粒子とその複合化
    3. 有機無機複合微粒子

会場

株式会社 技術情報協会
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