固体材料の熱膨張制御を行う際に必要となる材料学的基礎を修得します。無機固体を中心に、固体の成り立ちや熱膨張をはじめとする物理的性質、熱膨張の評価法を解説します。
金属や樹脂など様々な材料の熱膨張を制御する目的で、「温めると縮む」負熱膨張材料を熱膨張抑制剤として含有する複合材料が検討されています。この負熱膨張材料については、近年進展がめざましく、従来材料の数倍から十倍大きな負熱膨張を示す新規材料も見つかっています。これら負熱膨張材料について、その材料群とメカニズムを詳しく紹介します。また、これら負熱膨張材料を熱膨張抑制剤として含有する熱膨張可変複合材料について、実例をもとに、材料設計に必要な複合則や複合化で実現される機能、今後の課題などを解説します。特に、最近強く要求されている局所領域の熱膨張制御に求められる負熱膨張性微粒子に関する最新の話題を紹介します。
本セミナーは、様々な例題に加え、歪ゲージ法による熱膨張測定の実際を、エクセル・ファイルを用いて学ぶことを通じて、実践的な知識も身につくよう配慮されています。
- 固体の熱膨張
- 固体の成り立ちと物理的性質
- 結晶とその電子状態
- 固体の物理的性質
- 格子振動と熱膨張
- 結晶における格子振動
- 熱膨張の起源
- 熱膨張の評価
- 負の熱膨張:その機構と材料
- 従来型負熱膨張:共有結合性固体
- 異方的酸化物
- フレキシブル・ネットワーク
- 相転移型負熱膨張
- 電荷移動転移
- 強誘電転移
- 磁気転移
- 金属絶縁体転移
- 材料組織効果
- Ca2RuO4: セラミック体における材料組織効果の再認識
- β-Cu1.8Zn0.2V2O7
- 固体材料の熱膨張制御
- 複合材料の熱膨張
- 熱膨張制御の重要性
- 熱膨張評価式
- 負熱膨張材料による熱膨張制御
- 複合材料における熱膨張制御の実例
- マンガン窒化物
- ルテニウム酸化物
- 負熱膨張性微粒子による局所領域制御
- 求められる負熱膨張性微粒子
- マンガン窒化物
- バナジウム酸化物
- 負熱膨張性微粒子による電子デバイスのサーマル・マネジメント
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