本セミナーでは、自動車用エアコン、産業用冷凍・冷蔵機器など、様々な用途で使われる低GWP冷媒の開発・採用動向を解説いたします。
地球温暖化の進行が否定できなくなった現在、その要因の1つとして考えられているものに、冷凍機やヒートポンプで作動媒体として使用されている冷媒がある。パリ協定やキガリ改正によって、現在 HFC系冷媒の代替品開発が注目されており、早急に低GWP冷媒を世の中に普及させることが必須となっている。 冷媒の変遷は、自然冷媒から始まる第1世代冷媒 (流行の言葉を使えば、1G冷媒) から、1930年代に開発された2G冷媒のCFCおよびHCFC、そしてオゾン層破壊対策で1980年代に登場した塩素原子を含まない3G冷媒のHFC、さらには現在新たに研究開発が進められている、大気寿命を短くすることで地球温暖化対策を考慮した炭素の2重結合を有する4G冷媒のHFOと、かなりのハイペースで開発が進められている。特に4G冷媒の開発段階で、単一冷媒で候補冷媒を探索するには限界を迎えているとも言われており、5G冷媒ともいうべき次世代混合冷媒が、将来の冷媒の主流になるのは確実であろう。しかしながら、混合冷媒の活用には、冷媒選択だけでなく、その取り扱いに関しても未だ大きな課題を残している。 本講演では、冷媒に関する基本的な知識から始まり、冷媒と地球環境問題の関係を説明した上で、代替冷媒の必要性、現在開発が進められている次世代混合冷媒について概説するとともに、未だ理解されていない喫緊の課題についても紹介したい。
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