本セミナーでは、人の内面状態、「嬉しい」、「楽しい」、「わくわく」の計測と評価、活用について詳解いたします。
心理学的測定法、生体信号、脳計測等のアプローチと、感性、感情の可視化、新製品開発への活用について詳解いたします。
(2020年5月18日 10:00〜12:00)
安心感、快適感、わくわく感といった感性は、物質的な豊かさではなく精神的な豊かさを求める21世紀の社会の新しいパラダイムにおいて、極めて重要であると考えられる。2007年には、経済産業省が「感性価値創造イニシアティブ」を発表し、従来のものづくりの価値観である「機能」「信頼性」「価格」を超える第四の価値軸として「感性価値」を提案した。 そこで私は、これらの感性の定量的な計測による空間やインタラクティブシステムの評価を研究として行ってきた。このセミナーでは、特にわくわく感の生体信号 (特に心拍) を用いた定量的な計測方法について、実例を主体に解説する。
(2020年5月18日 12:45〜14:45)
わくわくする気持ちや楽しい気持ちは、感性工学が対象とする人間の心理的現象です。ただし、そうした気持ちは感情の一種であって、感性とは多少異なります。感性というのは、可愛いとか美しいとか格好いいというように、対象物の属性として認識される特性のことで、感情というのは、対象物を知覚したときに感じられる感情的印象です。感性が直感的認識というような認知プロセスの一種であるのに対して、感情は (それと密接な関係があるのですが) 情動ブロセスの一種です。 その意味で、まず測定対象である感性という概念について適切な理解を得ていただいた後に、それを測定する心理学的な尺度構成法をご説明します。いろいろな手法がありますが、今回は、評定尺度とマグニチュード推定法という2つの手法に焦点を当てます。手法の使い方には、何かを体験している最中に測定する手法と、その状態を想像したり記憶から想起したりして測定する手法とがあります。これらの手法について、具体的な事例をつかって演習風に説明します。そのためには、皆さんに協力していただいて、わくわく感や楽しさに関するデータを集めさせていただきます。なお、評定尺度という手法はしばしばリッカート法とも呼ばれているものです。
(2020年5月18日 15:00〜17:00)
近年、人間の脳を非侵襲に計測する技術の発展に伴って、未知の脳機能に迫ることが可能になってきた。本講演の前半においては、脳の基礎知識を説明した上で、最先端の脳計測技術の特徴や選び方を解説する。後半においては、これらの技術によって明らかになった予測や期待感、情動に関する最新の研究事例を解説する。
学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。