本セミナーでは、対象に負荷を極力与えずに生体情報を得て、感情・心理状態を推定する方法について基礎から解説いたします。
簡易計測、動画像、姿勢から得た情報を利用した感情の解析、推定事例を詳解いたします。
(2020年5月13日 10:00〜12:00)
近年、サービスの提供やモノづくりの現場において、人の率直な気持ちをリアルタイムで計測し、その結果を利用する要求が高まっています。 本講座では、感情推定技術に関する最近の話題と、講演者が研究で得られた知見をもとに提案する脳波と心拍を用いた感情推定手法、それにより得られた応用について紹介します。我々は脳波計と心拍計を用いた計測結果を心理学モデルに当てはめることにより、喜怒哀楽の感情を分析する手法を提案しています。 また、簡易脳波計測器と心拍計測器を用いた生体計測により感情を推定する方法のデモを実施し、感情の変化の視覚化を通じて、生理指標を用いて感情分析する方法を理解していだくことを目的にしています。
(2020年5月13日 12:45〜15:15)
心拍変動の周期から、交感神経系の活性のバランスを判断し、ストレス負荷の様子や感情をみることが可能であることから、カメラを用いた非接触の心拍変動計測システムが注目されている。この手法では非接触で行うため被験者に不快感を全く与えることなく計測が可能である。本講演ではRGBカメラからの皮膚色素成分分析法にもとづき、本情動工学を質感工学に応用うる例など実用的な視点で情動工学・肌光学について講演する。
(2020年5月13日 15:30〜17:00)
研究室の学生と任天堂のセンサ・バランスWiiボードを使って、着座姿勢の状態を推定できるのではという発想が感情研究の始まりです。その当時日本では感性を工学的に研究する分野が発展し、米国ではAffective Computingという研究分野が生まれてました。当時ビアンキ教授 (英国UCL大学) が立位姿勢の感情研究で活躍しており、海外では普遍的な理性より主観的な感情への研究にシフトが起きてました。また、ロボットとのコミュニケーションにおいて、相手の感情を理解することが重要である点も感情研究が盛んになった理由です。最後に人は日常生活の中での姿勢から無意識に感情を読み取ること、また、偶然が新たな研究分野を開拓する場合もあるということを講座で説明したいと思います。
学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。