本セミナーでは、軸受の選定、寿命計算、潤滑などの基本的な事項から、音・振動・電食の発生メカニズム、音・振動・電食の防止・低減策まで分かりやすく解説いたします。
転がり軸受は、日本人の食生活に例えて“機械の米”と呼ばれることもあり、機械システムを構成する上で欠くことのできない機械要素です。機械設計においては、転がり軸受を機械の仕様に合わせて選定することが仕事となりますが、基礎的な条項をしっかり理解していないと、大きなミスにつながります。 “転がり軸受の基礎”では、転がり軸受の基本事項、軸受の選定において重要となる寿命計算、潤滑等について、詳しく講義いたします。また、適宜、経験したトラブル事例についても紹介します。また、転がり軸受は内外輪軌道面と転動体が接触して、接触点が回転とともに移動しますので、回転中にばね定数が変化します。それだけでも音・振動が生じます。転がり軸受のクレームでは音・振動の上昇がかなりの割合を占めています。転がり軸受から発生する音・振動の基本的な解説と振れ低減の研究から導かれた音・振動低減対策についての紹介を行います。最後の“転がり軸受の電食防止技術”では、小径玉軸受を対象とした電食に関する研究の紹介を行います。インバータによるモータの回転速度制御が普及するにつれて、家電品でも電食が見られるようになりました。この講義では、電食が発生する条件、リッジマーク成長過程の観察、電食を防止する方法等を説明いたします。このような内容でお話をしますが、転がり軸受に対する疑問に答え、参加者の皆様にとって有意義となる講習会にしたいと考えております。
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