第1部 ディスプレイ向け光学フィルムの技術トレンドとフレキシブル、フォルダブルへの対応
(2020年4月23日 9:30〜10:50)
ディスプレイ光学フィルムの原理の理解も含めて光学フィルム全体を俯瞰することにより、今後のフレキシブル化・フォルダブル化への光学フィルム技術の対応を考察する。
- ディスプレイ向け光学フィルムの技術トレンド
- 光学フィルムに使われるフォトニクスポリマーの紹介
- PC
- PMMA
- COP
- PVA
- TAC
- PET
- PVA
- 透明PI
- フッ素系ポリマー 等
- フラットパネルディスプレイ及び光学フィルムの変遷
- FEDやPDPの試行から現在主流のLCDに至るまでを概説
- ディスプレイ光学フィルムの種類・機能と市場動向
- 偏光板
- 位相差板
- 輝度向上フィルム
- QDシートなど
- ディスプレイ光学フィルムの原理と特徴 (個別紹介)
- 直線変更
- 円偏光
- 輝度向上
- 反射防止
- 複屈折制御など
- フレキシブル、フルダブルへの光学フィルムの対応
- ディスプレイに共通する光学フィルムの新しい技術トレンド
- モスアイ反射防止
- ワイヤーグリッド偏光フィルム
- 透明ディスプレイ
- 車載用ディプレイ
- 指紋除去コート剤など
- フレキシブル、フォルダブルへの光学フィルムの対応
- OLED用
- microLED用など
- ディスプレイ方式ごとの対応
第2部 フレキシブル、フォルダブルディスプレイの技術分析と部材への要求
(2020年4月23日 11:00〜12:20)
LCDは、小型から大型まで市場を占有した。しかしスマートフォンを皮切りにOLEDに移行して来ている。その勢いはCES2020で17インチのノートPC展示が相次ぐように大型製品へと及んでいる。OLEDの本質的強みは形状ファクターすなわちフォルダブルを代表とするデザイン性の高さである。これらデバイスに関しては、展示品は見れても、基本構造、動作原理、あるいは画質、技術課題の詳細開示は少ない。
今回はこのOLEDの強みとしてデビューが始まったフレキシブル・フォルダブルOLED技術に関し特許情報を駆使し部材への要求の視点から徹底分析する。フレキシブルがガラスOLEDに比べ難度高い製造工程、フィルムカバー、破壊工学から見た薄板カバーガラス、衝撃性を改善したLTPS OLED構造、さらに最近大きく変化しているアクリル封止及びタッチパネル (Y-OCTA) の現在の部材構造・要求課題から将来変化を予測した解析結果を報告する。
- ディスプレイ市場状況と最新フレキシブル・フォルダブル動向の関係
- 全FPD市場でのデバイス技術主役交代へ向けてのBattle状況
- OLED投資動向と対応するCES2020フォルダブルOLED展示分析
- リジッド (ガラス基板) からフレキシブルOLEDの製造工程変化
- フレキシブルOLEDでの追加工程
- 難度の高いリフトオフ工程
- フォルダブルOLED製品の技術分析
- フォルダブルスマートフォン仕様
- フィルムカバー技術とその要求課題
- 破壊工学視点で見る薄板カバーガラス (UTG) 要求と最終カバー構造の予測
- 衝撃性を改善するバッププレーンLTPS構造
- アクリル封止及び内蔵タッチパネル技術
- タッチパネル投資・技術動向
- フィルムタッチ搭載パネルの構造
- Y-OCTA構造
- アクリル封止膜、Y-OCTA絶縁膜視点から見た要求課題
第3部 フレキシブルディスプレイ基板向け透明ポリイミドモノマーの設計とフィルム化
(2020年4月23日 13:00〜14:20)
当社は石油留分の一つであるナフサをクラッキングし、エチレン、プロピレンとともに各種の石油化学製品の製造と販売を行っている。その中でもノルボルネン化合物の1種であるENB (エチリデンノルボルネン) は、当社が開発した技術により製造され、主にEPDMゴムの第3成分として用いられている。ノルボルネン化合物は、炭化水素でありながら橋架け構造を分子内に有し、他の炭化水素に見られない特長を製品に付与できることから、高機能性樹脂や有機合成化学品の原料、中間体などに応用され、新しい化学品の合成に役立っている。当社では、これまで培ってきた「ノルボルネンの化学」を活かした新規化合物群の創出を進めている。その中の一つとして脂環式酸二無水物であるENEHYDE (エネハイド) CpODAを2018年12月に上市した。 CpODAは、脂環式構造に加え、剛直な骨格を持つことから、CpODAの使用によりポリイミドフィルムに「高透明性」「高耐熱性」「低熱膨張性」の特徴を付与することができる。CpODAより得られるポリイミドフィルムの使用により、従来ガラスが使用されている部材のフィルムへの置き換えが可能になると考えており、例えばフレキシブルディスプレイの一部材として適用されることを想定している。
本講座では、フレキシブルディスプレイ基板用途に焦点を絞り、当該用途に必要とされるモノマーやフィルムの要求性能等に関して講演を行う。
- ポリイミドの種類と透明性
- ポリイミドフィルムの化学構造と透明性
- 全芳香族ポリイミド
- 半芳香族ポリイミド
- 全脂肪族ポリイミド
- フッ素系ポリイミド
- フレキシブルディスプレイ用のTFTに用いられている半導体の種類とポリイミドに要求される特性
- ポリイミドの耐熱性に関して
- ポリイミドのCTEの低減に関して
- フレキシブルディスプレイ基板向け透明ポリイミドモノマー
- ポリアミック酸ワニス経由
- ポリイミドワニス経由
- ベイク時の温度と酸素濃度
- 製膜時の環境
- CpODAと各種ジアミンとの反応
- 光学特性および熱物性
- 機械強度
- 剥離強度
- レーザー剥離 (LLO)
第4部 ポリイミドフィルムの低CTE化とディスプレイ基板への応用展開
(2020年4月23日 14:30〜15:50)
フレキシブルディスプレイのバックプレーン基板材料に対する要求特性を明らかにし、高分子材料で要求特性に応えるための基本技術、およびフレキシブルディスプレイ製造のための基板プロセスとして採用されている、Bonding-debonding法、Coating-debonding法の各プロセスについて、それぞれの課題と解決手段について解説する。
- フレキシブルディスプレイ用基板への要求特性
- ディスプレイデバイスの基本構成
- TFTの設計ルールと基板材料に対する要求特性
- 高分子フィルム基板材料のプロセシング
- ポリイミドの分類と基本構造
- 主なポリイミドフィルムの特徴と用途
- ポリイミドフィルムの製造方法
- 高分子フィルム基板の寸法安定性
- 高分子の可逆的寸法変化:CTE (線膨張係数)
- 高分子フィルムの非可逆寸法変化 (熱収縮率)
- 高分子フィルム基板の表面特性
- フレキシブルディスプレイ製造のための基板プロセス
- Bonding-debonding法
- Coating-debonding法
- まとめ
第5部 次世代フレキシブルディスプレイ向け耐屈曲性材料の開発動向
~ガスバリアフィルム、OCA、ハードコート~
(2020年4月23日 16:00〜17:20)
近年、スマートフォンやタブレット端末の折り畳みデバイスが継続的に発表されている。多くの折り畳みデバイスは有機LED (Light Emitting Diode) を用いることが多く、今後もよりフレキシブル性に特化したデバイス開発が加速すると予想される。耐屈曲性はこのようなデバイスに用いられる周辺部材にも共通した要求性能となるが、各部材の役割と屈曲性の間には相反事象による課題が発生する場合がある。
本講演ではガスバリアフィルム、OCA (optical clear adhesive) 、ハードコート層に焦点を当て、自社開発事例を含めた要求特性への技術課題およびアプローチ手法について解説する。
- フレキシブルディスプレイと構成部材への要求性能
- 市場動向と構成部材
- 構成部材への要求特性・技術課題
- ガスバイアフィルム
- ガスバリア層の役割と成膜手法
- ガスバリア層の耐屈曲性評価と課題
- 屈曲歪を考慮したガスバリアフィルム構成の設計指針
- OCA
- 素子封止用途への要求特性
- 接着強度と封止性能
- Foldable Display への適用事例
- ハードコート
- 表面硬度と耐屈曲性
- 有機-無機ハイブリッド材料による開発事例
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、
1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
- 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
- 他の割引は併用できません。
アカデミック割引
- 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)
学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。