自動車用電池のリサイクルその技術、市場と採算性、国内外動向

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本セミナーでは、リチウムイオン電池のリサイクルについて基礎から解説し、抽出、回収、精製、再利用、不純物除去などの技術とその安全性や課題点について詳解いたします。

日時

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プログラム

第1部 EV用電池の元素資源量、供給・生産と廃棄の定量データ試算

(2020年4月22日 10:00〜11:20)

 全世界のEV (PHVを含む) は215万台 (2019年一部推定) 、中国で110万台 (2019確定) のレベルとなった。それに対するリチウムイオン電池の総容量は100GWhを越え、所要の電池材料は正極、負極と関連部材を含めて、これまでに想定していた量を凌駕しつつある。第一部のテーマである「元素資源量、供給・生産と廃棄」は、鉱山>化学 (精製、合成) >電池製造>EVへの搭載との、長くて異業種の連続する産業である。この連続の中では時間的、空間的さらには経済的な隘路が多く存在する。 品不足、供給過剰や品質低下…これらを回避して、円滑なEV生産とその成果としての大気環境の改善の為には、何よりも上記の各ステップでの定量的な量の把握と、化学技術的な整合性が有用である。  本講では現在のEV用リチウムイオン電池の化学と技術を背景に、供給・生産と廃棄の定量データ試算の結果を紹介したい。

  1. EV等の生産台数と電池の総GWh数
    • 世界、中国 2018実績と2030までの推定
  2. 正極材の選定と性能、何れが主流となるか
  3. 元素資源の所要量試算 トン/GWh
  4. NMC三元系のCo、Ni塩の所要量とコスト
  5. 廃電池の状態と無害化処理
  6. EV100万台から発生する有価物と廃棄物
  7. まとめ

第2部 相転移性水系溶媒抽出法による無廃棄型レアメタルリサイクル

(2020年4月22日 11:30〜12:30)

 廃液中に感応性ポリマーと疎水性配位子とを投入し人肌に温めるだけで、廃液中からレアメタルを直接かつワンススルーで分離回収することができる、“相転移性水系溶媒抽出法”の技術と方法論について概説すると共に、電池リサイクルへの適用性について紹介する。

  1. 相転移型水系溶媒抽出法の原理
  2. 感応性ポリマー及び疎水性配位子とは
  3. 白金族・希土類元素の分離回収の実証
  4. LIB構成元素への適用性について
  5. 現状の課題と今後の展望

第3部 廃EV電池の処理と国内外の法規制、3R法、バーゼル法とEU指令

(2020年4月22日 13:20〜14:40)

 第1部の関連で、当然ながら大量の廃EV電池の発生は予想される。EVは生産されてからほぼ10年間は走行し、廃車廃電池は年ごとにじわじわ増加し、しかも広範囲な気にと地域に分散した状態であろう。廃電池はもはや電池ではなく、種々の化学物質規制の対象となる特殊な廃棄物である。 現行でも3R法、バーゼル法 (廃棄物の国際移送) とEU指令など、ある程度は廃リチウムイオン電池を想定した規制は存在する。これらが国際的な整合性を持って、大量の廃電池の処理を可能にするとは極めて考え難い。 本講では現行の諸規制を一覧的に紹介すると共に、廃電池の発生量の推算、これらから回収可能な元素資源などにも併せて考察したい。また廃電池の処理技術の開発状況や、関連企業の動向も、部分的ではあるが紹介したい。

  1. EV廃電池の数量予測
  2. 廃電池の化学組成と発生する規制物質
  3. 化学物質規制、日本、諸外国とEU
  4. 3R法規制 (日本)
  5. バーゼル法とケミカルハザード
  6. EU指令
    • WEEE
    • RoHS
    • 電池指令
  7. 関連事項

第4部 リチウムイオン電池リサイクルの取組事例

(2020年4月22日 14:50〜15:50)

 環境・リサイクル事業を展開するDOWAエコシステム 株式会社 グループでは、世の中の様々な環境リスクに対し適正処 理、及び非鉄資源を主としたリサイクルの取組みを行っている。 本講演では、環境リスクと資源価値の両側面を 有しているリチウムイオン電池に対しての適正処理、リサイクルの取り組みについて紹介する。

  1. DOWAの資源循環型ビジネス
    ~LIBリサイクルにおけるDOWAの位置づけ~
  2. DOWAのLIBリサイクルプロセス
  3. 熱処理プロセス
  4. 破砕選別プロセス
  5. 今後の技術開発

第5部 国外、中国などにおける自動車用電池リサイクルの現状と展望

(2020年4月22日 16:00〜17:00)

 中国はすでに世界最大の新エネルギー車市場であり、特にEV普及台数の規模が際立っている。また、各種レイヤーで新興企業が参入するなど業界に構造変化の兆しがある。現在、蓄電池を中心とする静脈側産業の立上げが課題となっており、行政・民間ともにこの領域への関心は高い。ここでは、新エネルギー車関連のプレイヤーや政策について概観し、業界の今後の動きについて分析した上で、蓄電池のリユース・リサイクル市場の状況や、日本企業の参画可能性について紹介する。

  1. 中国の新エネ車市場の推移と見込み
  2. 自動車業界の構造変化
  3. リユース・リサイクル市場の現状
  4. 日本企業の参画可能性
  5. 中国以外の国での電池リサイクル・リユースの可能性
  6. まとめ

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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