本セミナーでは、燃料電池自動車の基礎から解説し、高性能化・低コスト化、開発動向、材料開発、市場展望について詳解いたします。
現在環境配慮型自動車として、ハイブリットは市場の認知を受けシェアが拡大している。また、電気自動車も本格的市場投入が始まっている。その中にあってFCVは水素を燃料とし、水しか排出せず、航続距離も電気自動車よりかなり長い、一部ではリースがはじまり、数年後には本格的市場投入が始まるといわれている。 この講演ではまずはじめに、燃料電池の基礎原理と、それに用いられる部品の特性を解説する。その中でEVとFCVを比較検討し、また定置式FCで発電し電気自動車に充電する等の考え方を示し、今後の動向を検討する。 これと併せて主として国内の3大自動車メーカーのFCVの取り組みのれきしを振り返り今後の展望を示す。最後に経産省とNEDOがおこなっているJHFCという実車に実証プログラムを説明する。
環境にやさしいエコロジー社会を育む上で欠かせないクリーンエネルギー源として太陽光発電などクリーンな分散型発電の導入が着実に進んでいる。その一つとして期待されている燃料電池は、究極のクリーンカーの動力源としても開発が進められている。燃料電池は山梨大学が40年以上も前から研究開発に着手し、世界をリードする成果を上げ続けている。講師自身、本学でその基礎を学び、20年以上の企業での開発を経て、世界初の家庭用燃料電池の発売を実現した。 本講義では、国の環境政策と燃料電池のかかわりについて、燃料電池の仕組みと各種電池との違い、システム開発の現状と今後の方向性、これまでの産学官連携の実例とFCVの高性能化・低コスト化に向けた本学実施中の研究開発プロジェクトの現状を実体験もふまえてやさしく解説する。
本年1月13日に自動車メーカー3社、エネルギー事業者10社によりFCV (燃料電池自動車) の国内市場への導入と水素供給インフラ整備に関する共同声明を発表した。2015年よりFCV量産車を4大都市圏を中心とした国内市場導入、それに合わせて、2015年までの100箇所程度の水素供給インフラの先行整備を目指すというもの。水素ステーションの整備に向けた課題とその解決に向けた取組み状況を中心にご紹介するとともに、水素及び液化水素の市場、利用用途、輸送、貯蔵等のインフラ状況について、解説する。 また、FCV以外の水素エネルギーに関しても、将来的な水素エネルギー社会実現に向けての当社の取組みを中心に夢を語る。