5G (IMT-2020) 携帯電話網は、2019年秋に一部の仕様でサービスが開始され、通信事業者や通信機器ベンダ、サービスベンダによる技術競争が激化している。5Gは、4Gの数10倍の超高速通信 (4K/8K動画配信、VR/ARコンテンツ活用等) に加え、これまでにない低遅延・高信頼 (車の自動運転支援やプラント・工場などにおける異常通知等) 通信、および多数同時接続 (センサやデバイスを対象としたIoT対応、LPWA対抗) を実現する。この多様なサービス提供に対応するため、ネットワーク仮想化 (NFV/SDN、ネットワークスライシング) 、MEC (Mobile Edge Computing) 、V2X (Vehicle to Everything) 等のソフトウェア技術を新たに開発、導入する。
また、近年ローカル5Gの呼び名で、5Gの技術を建物内や敷地内など比較的狭い領域内で5Gの技術を活用する企業向けのサービスが、2019年より急速に話題を集めている。
本講演では、まず2018年6月に発行された3GPP リリース15 (基本仕様) に盛り込まれた内容、2020年3月完了予定のリリース16 (全体仕様) 向けに提案されている最新の標準化内容を含め、5Gの技術、サービスの最新動向を詳説し、2030年サービス開始を目指す6Gへの展望についても述べる。さらに、5Gの技術を活用したローカル5Gについて、概要、運用条件、提供サービス、課題、今後の展望等を含めその全容を詳細に述べる。
- 携帯電話網の標準化機関と動向
- 3GPPとITU/ITU-R
- 携帯電話網の変遷
- 3GPPとITUの組織構成と活動
- 3GPP
- ITU-RとITU-T
- 5G携帯電話網
- 5Gに向けた3GPPの活動
- 5Gの利用シナリオ、要求条件
- 3種類のサービス
- eMBB (超高速通信)
- URLLC (超高信頼・低遅延)
- mMTC (多数同時接続
- IoT/LPWA対応)
- 5Gの技術概要
- 物理層Ⅰ:全体概要
- 周波数利用率向上
- MUST符号化方式とNOMA
- Filtered-OFDM
- Massive MIMO
- 周波数帯域の拡大
- 高密度ネットワーク
- デュアルコネクティビティ
- 高度化C-RAN
- C/U分離
- スモールセル
- 物理層Ⅱ: リリース15 (2018.6に完了した5G基本仕様) までの標準仕様
- 5Gアクセス網 (NR) の主要諸元
- 5Gアクセス網標準仕様-高速化大容量化
- 広い周波数レンジへの対応
- 広帯域への対応
- Scablenumerology/Short TTI
- 新チャネル符号化 (誤り訂正符号 (LDPC/Polar符号)
- Massive MIMO/アクティブアンテナ・ビームフォーミング
- 5Gアクセス網標準仕様-低遅延化
- Short TTI
- 高速再送制御Fast HARQ-ACK
- 使用周波数 (ITU-R WRCにおける検討詳細)
- ネットワーク概要
- 4Gと5Gのネットワークアーキテクチャ比較
- RAN-CNアーキテクチャ (NSA (4Gと5Gのハイブリッド) とSA (5Gのみのスタンドアロン)
- 5Gネットワークの進展推移
- システムアーキテクチャの技術要素
- ネットワーク仮想化
- SDN/NFV
- MANO
- ネットワークスライシング
- MEC
- V2X (C-V2X vs. DSRC) と自動運転
- SON (自己組織化ネットワーク)
- 3種類のサービスの実現技術まとめ
- リリース16 (2020.3完了予定の5G全体仕様) に向けた2019.4現在の主な提案
- 5Gのまとめ
- チップとモジュール
- 2017年〜2020年の国内実証実験
- 3GPP、ITU以外の機関の動き
- ETSI
- 5G PPP
- oneM2M
- OMA
- NGMN
- 5GMF (国内)
- 6G携帯電話網の展望、課題
- ローカル5G
- ローカル5Gとは
- ローカル5Gの背景と狙い
- ローカル5Gの運用条件
- ローカル5Gの使用周波数
- ローカル5Gのアプリケーション
- ローカル5GとLPWA
- ローカル5Gの課題
- ローカル5Gの動向と将来展望