身の回りの日用品から先端工業製品の材料まで複雑な挙動を示す流体が満ちあふれている。与える力や時間の経過に依存して性質が変わるこれらの流体を複雑流体という。これらの取扱は難しいが、逆にわずかな性質の違いで付加価値の高い製品となったり、困った現象を解決できたりもする。このような複雑流体の運動を計測し、分類し、特徴を明らかにする学問をレオロジーという。現在の産業界にとって非常に重要な学問であるが、レオロジーの教科書を開くと難しい数式がならび、一般の方にとって敷居が高いと思われがちである。
本セミナーでは写真や図を多く用い、専門用語をイメージしやすい形で解説する。レオロジーを学ぶうえで必要な用語や概念の理解から始めて計測に必要な機器や測定上の注意点について解説を行う。
- はじめに
- 常識外れの流れの実例
- レオロジーとはなに?
- レオロジーの必要性とレオメトリー
- 簡単な流れ場
- 「流れ」とは
- 難しいけれど本当は知っていると便利なテンソル
- 力と応力
- 変形と回転
- 剪断と伸張
- 次元モデル
- 基本的な物質のモデル化
- 力と変形の関係,だれもが知ってる構成方程式
- 流体の定義
- 様々な流体の種類と特徴
- 流動特性の測定法
- 粘度測定の基本
- 粘度測定装置の種類と使い分け
- 回転型とパイプ内流れ
- 回転型流路の種類と特徴
- レオメータは便利
- 定常粘弾性試験の原理と測定法
- 粘度測定
- 法線応力差
- 動的粘弾性試験の原理と測定法
- G’とG”
- 周波数分散とひずみ分散
- 測定結果の例
- もっと複雑な流体
- レオメータは嘘をつく
- レオメータだけでは分からない微視的構造の変化
- 様々な流動現象の例と最新測定技術情報
- まとめ
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